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平成28年(2016年)9月20日(火) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

地域医療構想の策定状況(2016年夏)の分析結果を公表

日医定例記者会見 8月24日

 釜萢敏常任理事は、日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が8月時点の中間報告として取りまとめた地域医療構想の策定状況(2016年夏)について説明した。
 地域医療構想については、厚生労働省が2016年度半ばまでに策定することが望ましいとしているが、同常任理事は、「策定のスピードを評価するものではない」と前置きした上で、「策定済み」が19県、「案または素案策定済み」が14県、「骨子案または途中経過公表中」が6県、「未公表」が8県であるとした。
 同構想は、医療需要を推計した上で、「病床の必要量(必要病床数)」を推計するものとされているが、その記述において、病床削減のためではないことが明記されたものは、2016年8月23日時点で情報が公開されている33都府県のうち12県にとどまっており、約6割に当たる21県では明確な記述が見られないとした(図1)

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 また、同構想の病床の必要量と病床機能報告制度による病床数は単純に比較できないとの記述があるのは21県で、12県ではそのことに触れられていないとし、「病床機能報告と地域医療構想との数の足し引きを記載した不適切なものもある」と指摘。
 更に、かかりつけ医に言及しているのは21県と報告(図2)。在宅医療については、記述例として、「地域の実情に配慮したもの」「郡市区医師会との協働」「関係職種との連携」「小児や難病等の在宅医療」「社会づくり」に関する項目を抜粋して紹介し、「地域の特徴をいかに構想に反映するかが大事である」と述べた。

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 同常任理事は、「地域医療構想では将来の病床の必要量が注目されがちであるが、重要なことは将来の姿を見据えつつ、医療機関の自主的な選択により、地域の病床機能が収れんされていくことである。病床の必要量は全国一律の計算式で機械的に計算されたものに過ぎない」と述べ、必要に応じて追記や削除、修正を行い、より実効性のある地域医療構想を目指すことが望ましいとした。
 続いて鈴木邦彦常任理事が、「地域包括ケアシステムの構築と地域医療構想は、どこで整合性を図るかが、これからの課題になる」と述べ、地域で医療と介護を一体的に話し合う場を設ける必要があるとの認識を示した。
 その上で、施設類型が多様化してきたことを踏まえ、利用者が必要とする介護サービスを分かりやすく伝える仕組みを、郡市区医師会が中心となって構築していく必要があるとした。
 中川俊男副会長は、本報告を踏まえ、「当初よりは理解が進んできたものの、相変わらず地域医療構想が病床の削減目標だと思っているところが少なからずある」と懸念。「病床機能報告制度の病床数と、地域医療構想における病床の必要量は別のものであり、繰り返し正しい理解を求めたい」と述べ、都道府県ごとにそれらの数を積み上げて比較することも適切ではないとした。
 また、地域医療構想は第6次医療計画に追記するものであり、第7次医療計画の策定においては更に進化させていくべきものとの見解を示した。

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