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平成29年(2017年)11月5日(日) / プレスリリース / 日医ニュース

『超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き』を作成

日医定例記者会見 10月18日

 鈴木邦彦常任理事は、日医が、日本老年医学会の協力の下、『超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き』の第一弾として、総論に当たる「1.安全な薬物療法」を、薬物有害事象を防ぐための処方の考え方を中心として作成したことを明らかにした。
 初めに同常任理事は、世界に類を見ない超高齢社会を迎えているわが国では、中央社会保険医療協議会を始めさまざまな場で、将来にわたり国民皆保険を維持するための検討が重ねられているが、特に、高齢者の薬物療法においては、高齢化に伴う薬物動態の変化のみならず、多くの疾患を抱えるために生じる多剤併用の問題、また、薬の飲み忘れや、薬の服用に介助が必要になるといった生活上の問題など、複数の問題が絡み合い複雑化しているケースも少なくないと指摘。この状況で、かかりつけ医が取り組むべきことは、「患者一人ひとりの病態を把握し、適正な処方をすることだ」と指摘した。
171105d2.jpg その上で、5剤ないし6剤以上の投与を一律に問題視する向きもあるが、実際には3種類で問題が起きることもあれば、治療上10種類必要な場合もあり、本質的にはその中身が重要だとした。
 また、減薬による病状悪化もあり得ることから、その対応については患者ごとに病態から生活までを総合的に判断する必要があり、今回の手引きでは、高齢者では有害事象が起こりやすいことを念頭に、減らせる場合には減薬できるよう、日本老年医学会の「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」を引用するとともに、使いやすいように「代表的な商品名」を追加したと説明。「かかりつけ医に患者の服薬管理を行う際の参考資料として、活用して頂くことを期待している」と述べた。
 更に、同常任理事は、同手引きについて、今後、日医ホームページに掲載するとともに、日医かかりつけ医機能研修制度の応用研修会の資料としても活用していく考えを示した他、記者からの質問に答え、地域包括診療加算・同診療料に係る慢性疾患である「高血圧症、脂質異常症、糖尿病、認知症」の4疾病の処方についても、各論として手引きを作成予定であるとした。

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