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平成30年(2018年)4月6日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

定例記者会見 介護保険委員会答申「認知症になっても元気で暮らせる『まちづくり』への 医師会とかかりつけ医の役割」について

 鈴木邦彦常任理事は、4月4日の定例記者会見で、会内の介護保険委員会が会長諮問「認知症になっても暮らせる『まちづくり』に果たす医師会・医療機関の役割」を受け、鋭意検討を重ねた結果、「認知症になっても元気で暮らせる『まちづくり』への医師会とかかりつけ医の役割」として取りまとめ、3月28日に篠原彰委員長(静岡県医師会長)から横倉義武会長に提出したことを報告し、その概要を説明した。

 内容は、(1)はじめに、(2)認知症対策の現状と今後の展望、(3)地域の将来をイメージする~「元気高齢者」の育成と活躍の場づくり~、(4)地域における連携の推進、(5)マネジメントを担う人材の育成支援~認知症サポート医の養成と活用~、(6)住民意識の改革と認知症への理解、(7)住まいづくり・まちづくりへの積極的な関与、(8)日本医師会の取組み、(9)終わりに―で構成され、巻末には、地域包括ケアシステムの構築、医療介護連携、認知症への対応などにおいて行政、多職種、地域住民との連携または協働により成功している実践例が参考資料として添付されている。

 (2)では、平成30年の診療報酬・介護報酬の同時改定や、在宅医療・介護連携推進事業、認知症総合支援事業など自治体での取り組みを含め、認知症への対応が縦割りの対策にとどまれば「まちづくり」への展開は難しいことから、医師会やかかりつけ医には、「まちづくり」としての地域のイメージが共有できるよう、リーダーシップを発揮する重要な役割が求められているとしている。

 (4)では、「まちづくり」に向けて目指すべき将来のイメージを行政と住民が共有するためには、日常的に信頼関係を構築しているかかりつけ医と医師会の役割が極めて重要であり、行政と医師会との連携も更に求められるとしている。

 (5)では、認知症サポート医がマネジメント機能を発揮できるよう、医師会やかかりつけ医には行政への働き掛けと継続したサポート体制を整備することが期待されているとした。

 (6)では、本答申の骨子でもある認知症の人を地域で支えるためには、専門家や行政だけの対応では不十分であると指摘するとともに、住民自らが生きがいをもって地域生活が継続できるよう、医療・介護を賦活化する視点で取り組むことが不可欠であるとした他、(7)では、サービス付き高齢者向け住宅や集合住宅は、一部の事業者による過剰なサービス提供など、不適切な事例など課題に対する早急な改善が必要であると指摘している。

 (9)では、今回の答申のテーマでもある"認知症になっても暮らせる"まちづくりとは、認知症の人が尊厳をもち"いきいき"と社会参加できる「まちづくり」を進めることが大切であるとの観点に基づいて進められるものであり、医師会及びかかりつけ医は、地域包括ケアにおける使命・役割を認識して活動しなければならないとしている。

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