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平成30年(2018年)9月20日(木) / 「日医君」だより / 日医ニュース

平成30年7月豪雨への対応を踏まえ、今後の対策等を協議

 第26回被災者健康支援連絡協議会が8月28日、日医会館小講堂で開催された。
 冒頭あいさつした横倉義武同協議会代表(日医会長)は、平成30年7月豪雨に対する構成団体の支援に感謝の意を示した上で、各構成団体に対して、「本日は、今後の大規模災害への対応を検討するためにも、今回の7月豪雨に対する対応について反省点も含めて報告をお願いしたい」と述べた。
 議事では、まず、テレビ会議で出席した被災3県医師会(岡山・広島・愛媛)から、被災状況並びに復興状況についての報告が行われた。
 松山正春岡山県医会長は、医療機関を再開するための最大の課題は資金の問題だと指摘。平松恵一広島県医会長は避難所の感染症対策のため、JMAT感染対策チームを組織し対応したことを報告するとともに、今後は被災者への心のケアが重要になるとの考えを示した。村上博愛媛県医会長は水の手配ができないために診療を行えない医療機関が多かったことを説明した。
 全国保健所長会の宮﨑親副会長は、今回初めて派遣された「災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)」について、円滑な引き継ぎ、情報の共有を目指して日報の様式の統一を行ったこと等を説明。行政からは、政府が「平成30年7月豪雨 生活・生業再建支援パッケージ」を決定したこと、厚労省所管の「医療施設等災害復旧費補助金」並びに経済産業省所管の「中小企業等グループ補助金」の説明会を現地で開催すること、仮設住宅の確保や大学病院からの医師の派遣状況等について、報告が行われた。
 構成団体からの報告の中では、石川広己常任理事が、①兵庫県医師会による「統括JMAT」を始め、8月24日現在で251チームのJMATを派遣した②被災医療機関並びに被災地の地域医療・地域包括ケアの復旧支援を目的として、加藤勝信厚生労働大臣らに要望書を提出した③JMAT体制の強化のため、日本医師会防災業務計画・JMAT要綱の改正を9月1日付で行う④災害時、被災地内外から派遣されるJMATが一体的・組織的な医療支援活動を行えるよう、JMAT研修を実施する―ことなどの日医の対応を説明。今後改善すべき点として、「中小企業等グループ補助金」の対象に電子カルテが含まれていないことを挙げた。
 また、同常任理事は10月に都内で開催される「防災推進国民大会2018」の中で、10月13日に「災害医療対策から見た"レジリエンスの強化"」をテーマとしたセッションを行うことを紹介し、参加を呼び掛けた。
 その後の協議の中では、松山岡山県医会長がまち全体が復興できるような施策の実施を、平松広島県医会長は補助金支給に関する柔軟な対応を、それぞれ要望。村上愛媛県医会長は避難所に避難していない被災者への対応を求めるとともに、メディアで取り上げられた地域とそうでない地域、アクセスの良い所とそうでない所との復旧格差があることを指摘し、その改善を求めた。
 協議会での議論を踏まえて最後にあいさつした横倉会長は、「被災地では依然として、さまざまな課題があることが本日の協議会でも明らかとなった。医療界全体で力を合わせて、引き続きそれらの課題に取り組んでいきたいと考えているので、よろしくお願いしたい」と述べ、協議会は終了となった。

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