第8回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が4月17日、テレビ会議システムを利用して、日医会館で開催された。
冒頭あいさつした横倉会長は、政府が4月16日に緊急事態宣言の範囲を全国に拡大したこと触れ、「各地域で医療機関の役割分担を明確にしながら、受け入れ体制の整備・拡充に努めて欲しい」と要請。また、院内感染及び院内感染が疑われる事例が複数報告されていることに危機感を示し、医療防護具の不足は早急に解決しなければならない課題であり、引き続き、国に対して、医療現場が必要とする物資等の支援を求めていくとした。
つづいて、厚生労働省からテレビ会議システムを利用して、橋本岳副大臣、自見はな子政務官があいさつを行い、新型コロナウイルス感染症への日頃の対応への感謝を述べるとともに、引き続きの協力を求めた。
当日は、まず、釜萢敏常任理事が「緊急事態宣言」の対象地域が全国に拡大された経緯の他、「地域におけるPCR検査外来体制の構築」「自宅療養等に係るフォローアップ体制の構築」などについて説明を行った。
PCR検査については、帰国者・接触者相談センターを経由せずに、帰国者・接触者外来につなぐ仕組みの拡充に加えて、陽性と判断された方の振り分けを迅速に実施する、出口戦略が重要になると指摘。「この仕事は本来、保健所の仕事ではあるが、保健所も厳しい状況にあることから、知事のリーダーシップの下、検査センターに職員を配置し、対応して欲しい」とした。
また、医師の指示の下であれば、看護師、臨床検査技師でも検体採取は可能となっていることを説明し、連携して対応することを求めた。
一方、自宅療養等のフォローアップ体制に関しては、自宅療養している場合でも、体調の変化をしっかりと把握する体制が必要になるとした他、「感染が拡大していない地域においても、軽症者の宿泊施設の確保をお願いしたい」と述べた。
質疑の中では、兵庫県医師会から、PCR検査を地域の医師会が担うことに関して、会員の安全の確保のための防護具の提供や身分保障、休業補償等が必要との考えが示された他、神奈川県医師会からはPCR外来について、実施している場所が県民に公表されていることを危惧し、PCR外来はあくまでも医師が感染を疑った方を検査する場所であることの周知が求められた。
松本吉郎常任理事は診療報酬の審査委員会について、当面の間は、必要に応じて審査委員の2分の1未満の出席や委員長一任による審査決定もやむを得ないとする取り扱いになっていることを説明した他、診療報酬上での対応に関しては、持ち回りで当日開かれた中医協において、了承されたコロナ感染患者(中等症・重症)の受け入れに係る特例的な対応について報告。「重症のコロナ感染患者の治療に係る評価」「患者の重症化等を防ぐための管理および医療従事者の感染リスクを伴う診療の評価」「コロナ感染患者の受け入れに伴い必要な手続き等への柔軟な対応」が認められたとするとともに、時限的・特例的に認められた電話や情報通信機器を用いた診療については、実施に当たっての手続き等を厚労省からの事務連絡を基に概説した。
東京都医師会からは、DPC対象病院において、医療資源をもっとも導入した疾患が新型コロナウイルス感染症でない場合にPCR検査が包括化されてしまうことの改善が求められた。
その他、羽鳥裕常任理事が、4月10日に加藤勝信厚労大臣に新型コロナウイルス感染症における抗体検査の速やかな普及を求める要望書を提出したことを報告。城守国斗常任理事は、防護具が不足する中で、フェイスシールドのつくり方の動画を日医のホームページにも掲載することを説明し、その活用を求めた。
秋田県医師会は、老人保健施設などでの対応について質問。江澤和彦常任理事は、要介護者が感染した場合には原則入院してももらうことになることを説明するとともに、施設の職員が感染源になることに注意を促した。
大阪府医師会はJMAT活動に関する保険について、7日間連続で活動を行わなければ、保険の対象とならないことの改善を要求。今村聡副会長は保険会社と交渉する意向を示した。
なお、本協議会は、現状を鑑み、5月も毎週金曜日に開催することとなった。
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