平成30年度・令和元年度救急災害医療対策委員会の報告書がこのほど取りまとめられ、6月17日に山口芳裕委員長(杏林大学医学部主任教授/高度救命救急センター長)より、横倉義武会長に提出された。
今期の会長からの諮問は、「1.地域包括ケアシステムにおける救急災害医療のあり方について~2040年に向けて~」「2.災害医療について」であり、審議に当たっては、地域包括ケアシステムと救急災害医療、JMATのあり方、マスギャザリン災害、新型コロナウイルス感染症対策に関する4つのワーキンググループを設置して検討が行われた。
内容は、「総括」「各WGによる報告」「まとめ」の6部で構成となっている。
その中では、日医に対して、「知見を集積し、関係省庁と連携し、救急搬送時に心配蘇生を望まない人生の最終段階にある患者に対しる標準的な対応方針の作成に向けた検討を進めるとともに、国の関連法規や制度の見直し、財政支援策の創成や改善等の環境整備に積極的に取り組むこと」「想定外の大災害に備え、平時からいかなる事態に対しても即応できる体制の構築・充実」等を求めるとともに、日医には即応的かつ実効性のあるアクションを起こす責務があると指摘している。
その他、救急救命士の業務拡大については、制度改正が医療現場に与える影響について地域格差を含めた検証を行っていくことが重要になるとしている。
JMATのあり方ではワーキンググループにおいて、平成30年10月より開始された日本医師会JMAT研修のプログラムの策定や見直しやeラーニングシステムを構築がなされた。
また、ラグビーワールドカップ2019の開催時には、特殊災害医療・救護に関して一元化した相談窓口(ワンストップ窓口)を開設し、マスギャザリング対応能力の向上や情報の連絡・共有体制の構築を図った。
なお、報告書の成果物である「新型コロナウイルス感染症時代の避難所マニュアル」については、「"新型コロナ時代"における災害時避難所対策~令和2年度都道府県医師会災害医療・感染症危機管理担当理事連絡協議会」(令和2年6月17日開催)にも資料として提出され、検討が行われた。
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