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令和4年(2022年)8月20日(土) / 日医ニュース

学校保健委員会答申 「学校における保健管理の在り方の検討 ―afterコロナを見据えた児童生徒等に対する健康教育推進―」

令和2・3年度 会内委員会答申・報告書(全文は日本医師会ホームページ「メンバーズルーム」に掲載)

 学校保健委員会(委員長:松村誠広島県医師会長)は、会長からの諮問「学校における保健管理の在り方の検討 ―afterコロナを見据えた児童生徒等に対する健康教育推進―」について、(1)従来の児童生徒等の健康診断の内容や健康生活の実践状況の把握の在り方、(2)教職員を含む学校における保健管理の在り方、(3)健康教育の推進として、健康リテラシー向上に参画していくための土台と環境づくり―の3点に絞って検討を行い、答申を取りまとめた。
 答申は「Ⅰ.はじめに」「Ⅱ.子ども達を取り巻く環境変化と新たな健康課題及び健康教育の重要性」「Ⅲ.現状を変えるためには―学習指導要領への反映―」「Ⅳ.まとめ」「Ⅴ.おわりに」「参考資料」で構成されている。
 「Ⅱ.子ども達を取り巻く環境変化と新たな健康課題及び健康教育の重要性」では、学校保健で課題とされている諸問題、特に生活習慣及びそれに帰属する近視の問題、運動器の問題、アレルギー疾患児童生徒の増加、いじめ・不登校・自殺等の問題、家庭環境の問題、性の問題その他について言及。これら諸問題の解決のためには、保健体育のみならず、道徳や理科、社会など教科横断的な取り組みが求められるとするとともに、健康教育は保健教育の一部であるが、「生きる力」の理念の具体化のため、学校に関わる医療関係者・関係団体の協力や支援が一層必要になると指摘している。
 「Ⅲ.現状を変えるためには―学習指導要領への反映―」では、次期学習指導要領改訂を見据えた新たな健康教育を構築するため、中央教育審議会、文部科学省、厚生労働省等への働き掛けを提案。日本医師会に対してはこれらの実現のため、行政との連携を更に推進することを求めている。
 「Ⅳ.まとめ」では、健康教育に関して、「問題と対応方法の理解の基盤となる基礎知識をしっかりと教える」「生活習慣については複数課題との関連を考えた構成とする」―などを提案。どの年齢で教えるべきかについては、学年とともにより詳しく、かつ反復して学べる工夫が、知識と理解の定着や、望ましい生活習慣の獲得のために必要だとするとともに、自殺や精神疾患、喫煙や飲酒、性行動などに関しては、教える年齢が遅すぎることのないよう注意が必要だとしている。
 また、医師などの医療の専門家の関わり方については、(1)学校の教員とあらかじめ十分に相談すること、(2)教育内容や教材の準備、(3)教育の実施における教員との協力―に注意することが不可欠だとしている他、毎年の健康診断の機会を健康教育に活用することを提案している。
 更に日本医師会に対しては、「学校医や各地の医師会への支援」「中教審、文科省、厚労省等への働き掛け」を行うよう、求めている。

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