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令和7年(2025年)1月22日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース

インフルエンザ等について

 釜萢敏副会長は1月22日の定例記者会見で、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の感染状況や治療薬の供給状況等について解説した。

 同副会長は、まず、昨年の暮れからインフルエンザの全国的な流行があり、2024年第52週(12月23~29日)では定点当たり64.39と、これまでに経験したことのない報告数であったが、その後、2025年第1週(令和6年12月30日~令和7年1月5日)では定点当たり33.82、第2週(1月6~12日)では定点当たり35.02となったことを説明。医療現場からの生の声もあわせて「感染のピークを少し超えたのではないか」との見解を述べつつ、「今後の報告数も踏まえて十分注視していかなければならない」と強調するとともに、2025年第2週(1月6~12日)では定点当たり7.08となっている新型コロナウイルス感染症の感染症状況にも触れ、今後の感染の動向に注視を促した。

 また、治療薬の供給状況については、厚生労働省が公表している治療薬の供給状況と国立感染症研究所が公表している感染者の推計を比較すると、治療薬の供給は足りていることになっているが、医療現場や調剤薬局から抗インフルエンザウイルス薬や抗原定性検査キットが届かない、不足しているといった声が寄せられていることに言及。厚労省と緊密に連携を取りながら情報交換を行いつつ、全国の医療機関に対する情報発信にも努めていることを報告するとともに、その現象がなぜ起きているのかの検証の必要性を強調。加えて、抗インフルエンザウイルス薬の中には予防投与が認められている薬もあることから、予防投与による薬剤使用の実態把握も行うべきとの考えを示した。

 更に、釜萢副会長は、「今回の流行は主に2009年にもパンデミックを起こしたインフルエンザウイルスA/H1pdm09によるものであるが、今回の急激な感染拡大は、インフルエンザウイルスに対して多くの国民が予防接種や感染による免疫の保有等といった準備が不足していたことが、その要因として考えられるのではないか」との見解を述べ、重症化予防という点においても予防接種は重要な感染予防の手段になるとして、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の予防接種を呼び掛けた。

 最後に釜萢副会長は、手洗い、マスクの着用、換気といった基本的な感染対策の他、人混みに行く際の特に慎重な対応を改めて求めるとともに、「日本医師会として、今後の動向を注視しながら、引き続き、適切な情報を国民や医療機関にしっかりと提供していく」とした。

 その他、釜萢副会長は記者との質疑応答の中で、インフルエンザの大流行による病床使用率の影響について問われたことに対して、インフルエンザにおいては、幅広い年齢で感染が拡大しているが、重症化率は高齢者の方が高いことから直近の入院も高齢者が多い状況にはあるものの、「現状のままであれば対応は可能であり、大きな不安を感じる状況ではない」との考えを示した。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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