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令和8年(2026年)6月17日(水) / 「日医君」だより

令和8年度都道府県医師会地域医療構想策定等ガイドライン説明会

 令和8年度都道府県医師会地域医療構想策定等ガイドライン説明会が6月12日にWEB形式で開催され、近く取りまとめられる地域医療構想策定ガイドライン(GL)について、現時点での骨子等を共有するとともに、各都道府県医師会との質疑応答等を行った。

 GLの公表後は各都道府県ごとの新たな地域医療構想策定に向け、より具体的なフェーズに移行し、各都道府県の協議の場において、構想区域の設定、各区域における課題の把握、課題への対応案の検討、そのための取り組みの決定と推進といった協議が行われることを踏まえ、GLの概要を共有すると同時に、質疑応答や意見交換を行うことで相互理解を深め、今後の各都道府県及び構想区域における検討・協議に万全を期すことを目的として、本説明会は開催された。

 説明会は坂本泰三常任理事の司会で開会。冒頭、あいさつした松本吉郎会長は、GLの最終的な取りまとめ前での開催となったことに触れ、「本日の機会は決して無駄になるものでなく、むしろ今後の議論をより実効的なものとするための重要なプロセスと位置付けている」と強調した。

 さらに、GLの策定後は、実務的で踏み込んだ協議が求められる点にも言及。「こうした局面において、各都道府県医師会と行政との連携を円滑に進めていくためにも、現段階での率直な質問や意見をいただくことが極めて重要」との考えを示し、現場の実情を踏まえた忌憚のない声を寄せていただくよう求めた。

 続いて、西嶋康浩厚生労働省医政局地域医療計画課長が、近く取りまとめられるGLの現時点での骨子等を説明した。

 GLではまず、新たな地域医療構想の考え方として、各医療機関機能に期待される役割等を示すとともに、都道府県が構想を策定するに当たっての議論の進め方の他、構想の進捗や医療提供体制の状況を定期的に把握し、必要に応じて見直しを行うといった観点に触れる見通しとした。

 GLは主として都道府県の医療担当部局のためのものと想定しているが、その中身については、医務主管部局に限らない内容となっているとし、他部局や都道府県内の各市区町村としっかりと連携する重要性を指摘。また、GL発出の際には、都道府県の医療担当部局だけでなく、介護担当部局等にも周知していく考えを示した。

 GLにおける医療機関機能報告の考え方も取り上げ、(1)各医療機関が現在担っている医療機関機能、(2)2040年時点で担う予定の医療機関機能、(3)医療機関機能の確保等の協議に必要な診療の実績―等を都道府県に対して報告する方向性であるとした。

 また、医療機関機能報告と入院料の対応関係について、「病床機能報告と同様に、必ずしも『1対1対応』ではなく、その前提は変わらない点もGLに示したい」と述べた。

 病床機能報告においては、従来の「回復期機能」について、「包括期機能」として位置付けの見直しを行ったことに触れ、「単に名称を変えた訳ではなく、見直しの意味合いを含めてGLに示し、行政を含めて広く周知していきたい」と説明した。

 構想区域の基本的な考え方について、人口規模や流出入患者割合等を踏まえ、適切な区域の設定をする必要があると指摘するとともに、1)大都市型2)地方都市型3)人口の少ない地域―といった地域類型ごとに特性があるとした。

 1)では「例えば、大学病院の本院が複数ある地域もあることなどから、県全体の効率性を踏まえて構想区域を考える必要がある」と説明。

 3)では「県境地域であるところもあるため、隣接する都道府県間の県境における連携も含め、その間での患者の流出入等も念頭に適切な区域の設定をお願いしたい」と述べた。

 課題がある構想区域については、現在の区域の維持に拘らず、隣接区域との統合、再編等の対応が選択肢としてあり得ることに触れた。

 隣接する都道府県との連携については、「合同で調整会議を開催することに限らず、個々の医療機関ベースや、個々の行政ベースでの協議もあり得るのではないか」とした。

 入院医療の基本的な考え方についても、地域類型ごとの特性を取り上げ、1)は「特に区域全体や区域内での医療資源の偏在などの問題等も踏まえるべき」とした。

 2)は「これまで症例を確保できていた医療機関も確保できなくなる」「看護師等を含めて人材確保が難しくなる」といった観点から、連携・再編・集約化が検討され得るとの見方を示した。

 3)は「限られた医療資源の中で、今後、診療所も含めて医療機関の数が減ることが予想されるため、患者の入院医療をどう保障していくかといった観点からも議論してほしい」と説明した。

 入院医療における医療機関機能としては「急性期拠点機能」「高齢者救急・地域急性期機能」「在宅医療等連携機能」「専門職等機能」を挙げ、医療機関が手挙げで報告するとした他、それらの一部については地域の実情に応じて「複数選択も可」であるとの方向性が示された。

 また、急性期拠点機能を担う医療機関については、人口20万~30万人程度につき1カ所を目安に確保していくとし、「その数を構想区域内で決めた上で、どこが急性期拠点になるかについては、今後の連携・再編・集約化も念頭に置きながら審議した上で、急性期拠点に限らず、地域の中で各医療機関がどういう役割を果たすかについても協議してほしい」と述べた。

 さらに、高齢者救急に関しては「単純に年齢や疾患で区切ることは困難だ」とし、実際の患者像や治療内容等を見ながら、高齢者救急の拠点となる医療機関が受け入れられる患者像を各地域で決めることが現実的との見方を示した。

 続いて、外来医療では、「休日・夜間も含めた持続可能な外来医療提供体制の構築」の重要性に触れた上で、「各区域で同一の協議をする必要はなく、地域での社会資源や各医療機関の役割等を踏まえながら、必要な体制を考えてほしい」と促した。

 在宅医療では、「慢性期の医療提供体制の一体的な確保」といった視点を取り上げ、「在宅であっても慢性期の入院医療や介護の提供体制を見ながら、検討してもらう必要がある」とした。

 介護との連携では、「医療と介護の相互理解に基づく切れ目のない退院・療養支援体制の構築」の観点から、「入院患者の退院先について、医療機関と介護保険施設の関係者間で認識を共有することが大事だ」と指摘した。

 人材確保を巡っては、大学病院本院からの人的協力を得るためにも、都道府県と大学病院本院との連携が求められるとし、「医師の確保については医療機関機能の確保に関する議論と一体的に検討していくべきだ」とした。

 その後は今村英仁常任理事の進行の下、質疑応答や意見交換を実施。「介護との連携」「高齢者救急」「人材確保」「患者のアクセス確保」「オンライン診療」などについて、GL上での考え方に関する質問や意見が出され、西嶋課長が回答した。

 最後に総括を行った角田徹副会長は「本日共有された課題意識や経験を生かしながら、各地域に応じて、丁寧かつ建設的な協議を進めていただくことを期待している」などと述べた上で、日本医師会としても今後の円滑な議論と情報共有に努めるとともに、必要な支援を行っていく姿勢を強調した。

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