2021年4月7日
新型コロナウイルス感染症(ワクチン接種等)の正しい理解のために【国民の皆様へ日本医師会からのメッセージ 】
新型コロナウイルス感染症の予防接種を安心して受けていただくために、日本医師会では国民のみなさま向けに、様々な疑問に関するQ&Aを掲載しました。ワクチンについてわからないことや、高齢者や基礎疾患をお持ちなど、接種に不安がある方は、かかりつけ医や地域の医師会にぜひご相談ください。
- Q1.なぜワクチンを接種するのですか?
- A.ワクチンの接種により、症状が出ることを防ぎ、重症化するのを予防できることが明らかになっています。最近の研究では、感染自体を防げる可能性も示されています。
- Q2.ワクチンを接種した方が良いですか?
- A.できるだけ多くの方が予防接種することで、感染の拡大を防ぐことができます。予防接種には、「個人を守ること」と「社会を守ること」の二つの役割があります。
- Q3.接種するワクチンはどのくらい効き目(効果)がありますか?
- A.3週間の間隔で2回接種した場合、2回目の接種から7日目以降において、症状が出ることを防ぐ効果は約95%でした。ワクチンを定められた方法(間隔、回数)で接種した場合の効果は科学的に明らかです。
- Q4.どのように接種するのですか?
- A.上腕の筋肉に注射します。また「コミナティ筋注」(ファイザー社)の場合は3週間の間隔で2回行います。
- Q5.なぜ新型コロナウイルスワクチンは筋肉注射なのですか?
- A.筋肉注射の方がワクチンの成分が素早く吸収されます。筋肉の中は血流が豊富で免疫に関わる細胞も多く存在するため、ワクチンによる免疫を獲得しやすいのです。
- Q6.筋肉注射は痛くありませんか?
- A.痛みの感じ方には個人差があります。ワクチンに含まれる成分によっても異なります。注射したところの腫れや痛みが、接種後しばらく経ってから出ることもあります。
- Q7.ワクチンの注射で注意することはありますか?
- A.服用している薬の作用によって出血しやすくなっている方や、出血しやすい病気の方は、注意が必要です。薬を服用中の方や治療中の方は、前もってかかりつけ医に確認をしてください。そして、必ず接種前に医師や看護師等に伝えてください。
- Q8.妊娠中や授乳中の場合はワクチンを接種した方がよいですか?
- A.ワクチン接種対象から除外されてはいませんが、接種する前に必ずかかりつけ医と相談してください。
- Q9.子供も接種できますか?
- A.現在承認されている「コミナティ筋注」(ファイザー社)の対象は16歳以上の方です。小児に対する接種は、今後検討される見通しです。
- Q10.アレルギーがある場合、ワクチン接種して大丈夫でしょうか?
- A.アレルギーの原因は様々です。特定の原因が疑われる場合は、ワクチンに含まれる成分との関係について、事前に医師に相談してください。ワクチンに含まれる成分以外に対するアレルギーの場合、接種は可能です。
- Q11.重度のアレルギーの既往歴がある場合はどうなりますか?
- A.まず、かかりつけ医に相談してください。また、接種する医師等が注意深く観察し、必要に応じて速やかに対応を行えるよう、接種前に必ず医師や看護師等に伝えてください。
- Q12.接種後の体調変化が心配です。
- A.接種後15~30分程度は接種施設で様子をみます。接種直後に、めまい・吐き気・血圧低下などが見られることがあります。また接種した翌日になって、注射した部位の痛み・腫れ、筋肉や関節の痛み、頭痛、疲労、発熱などが見られることがあります。これらは通常、数日以内におさまります。気になる体調変化は、接種を受けた医療機関や自治体の窓口に相談してください。
- Q13.アナフィラキシーとはどのようなものですか?
- A.アナフィラキシーは、薬や食物が身体に入ってから、短時間で見られる全身性のアレルギー反応です。かゆみ・じんま疹、息苦しさ、腹痛など2つ以上の臓器にわたって症状が見られます。その中でも急激な血圧低下や意識障害を伴う場合を「アナフィラキシーショック」と呼びます。これらはすぐに治療する必要があります。
- Q14.アナフィラキシーが起こるとすれば、接種後いつでしょうか?
- A.米国の報告では、アナフィラキシーが起こった方の90%が接種後30分以内に症状が現れていました。接種を行う施設では、適切な対応が取れる体制を整えています。
- Q15.接種施設を出た後に体調変化に気付いたら誰に相談したらよいですか?
- A.安静にして、接種を受けた医療機関または都道府県や市区町村からの案内に記載された相談窓口にご連絡ください。
安全に、そして安心してワクチンを接種できるよう、わかりやすく下記に説明しています。ぜひ接種を受ける前にお読みください。
- ひとは、体調や体質により、外部から体内に入るもの(例えば食物、お薬など)によって、"アレルギー反応"を起こすことがあります。ワクチンも同様に、頻度は多くありませんが、アレルギー反応などの副反応を起こすことがあります。しかし、接種前の正確な問診と、万が一副反応が起こっても正しく対処することで、重篤な症状になることは極めてまれです。
- ◆ワクチン接種の前には、『問診票』で発熱の有無、心臓病や腎臓病等の持病の有無、予防接種によるアレルギー歴の有無などの確認を行います。当てはまるものがあれば、必ず医師にお伝えください。
- ◆ワクチン接種後(直後から数日間)は、ご自分の体調に注意しましょう。体調の変化、異常があれば、接種を受けた医療機関や、予め伝えられた連絡先に相談し、指示を仰ぎましょう。
- 【起こるかもしれない症状】
● 注射した部位の腫れや痛み ⇒ 当日に現れ2日ぐらい続く
● 筋肉痛、関節痛 ⇒ 多くは接種翌日に現れ、1日程度で治まる
● 頭痛 ⇒ 多くは接種翌日に現れ、1日程度で治まる
● 倦怠感、寒気、発熱 ⇒ 多くは接種翌日に現れ、1日程度で治まる
!上記のような症状が出て数日してもよくならない場合は、医師の診察を受けてください。 - 【アナフィラキシー】
発生頻度は低いが以下のような症状
● 皮膚のかゆみ、じんま疹、皮膚が赤くなる
● くしゃみ、のどのかゆみ、声のかすれ、息苦しさ
● 腹痛、吐き気
● 物が見えにくい
● 気分の不良 など
!接種直後から30 分以内にこのような症状が現れた場合は、直ちに接種した医師や看護師に伝えてください。
新型コロナウイルス感染症に関する支援への御礼及び医療従事者への風評被害について
新型コロナウイルスワクチンについて答えます。
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みんなで安心マーク
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療機関はこれまで以上に感染防止対策に取り組んでいるところですが、これまで通院されていた方、生活様式が大きく変化し不調を来した方が感染リスクを恐れて、医療機関への受診を控えたり、先延ばしするといった現状がございます。
また、お子さんの感染を心配して、予防接種を控えたり、健康診断を取りやめている方も少なくありません。
このままでは、日本の医療の良さである病気の早期発見、早期予防にも支障を来し、国民の皆様の健康にも深刻な影響を与えかねません。
このような状況に鑑み、日本医師会で、患者さんが安心して医療機関に来院できるよう、感染防止対策を徹底している医療機関に対して、『新型コロナウイルス感染症等感染防止対策実施医療機関 みんなで安心マーク』を発行することといたしました。
本マークは、医療機関が感染防止対策セルフチェックリストの全ての項目を実践していることを回答した場合に発行します。
本マークを発行した医療機関のリストは下記よりご覧いただけます。
「みんなで安心マーク」発行医療機関リスト【36MB】
(2020/8/7-2021/2/28分)令和3年3月17日更新