2015年2月6日
第16回「生命(いのち)を見つめる」フォトコンテスト入賞作品
ごあいさつ
「生命(いのち)を見つめる」フォトコンテストは、写真を通して生命の尊さや大切さを考えてもらいたい、との願いを込め、日本医師会と読売新聞社が毎年開催しています。第16回目の今回は、全国から約3,500もの作品が集まり、厳正な審査のもと、入賞作品29点が決定しました。
子供のはつらつとした表情、ご高齢者の力強さを感じさせる仕草が印象的な作品から、生命のはかなさを感じさせる作品まで、幅広い応募作品が寄せられました。最終審査に残った作品からは、普段の何気ない光景に潜んでいる生命のありがたさが良く伝わってくるかと思います。本展覧会の鑑賞を通じて、"生命(いのち)"を見つめなおす機会の一助となれば幸いです。
最後になりましたが、ご応募いただいた皆さま、審査員をはじめ、本コンテストにご協力いただいた関係者の方々に厚く御礼申し上げます。
日本医師会/読売新聞社
最優秀賞(1点)
日本医師会賞・審査員特別賞・読売新聞社賞(各1点)
入選(5点)
佳作(20点)
審査員からのひとこと
田沼 武能(日本写真家協会会長)
「生命(いのち)を見つめる」フォトコンテストも16回目。今回は、そのままポストカードに出来るのではと思うくらい素晴らしい作品がそろい、技術的にもハイレベルな作品が多いと感じました。また上位に入った作品は、子供の生命力やお年寄りのパワー、人間性が、見る者に伝わってくるようなものでした。
「不屈魂」は、松葉づえをついたバッターの「力」が1枚に写し込まれ、障害を乗り越え、スポーツに対する意欲を感じさせる作品でした。
「僕・頑張るぞ」は、今回の作品の中で最も力強さが感じられました。狙いは単純ながら、迫力ある作品に仕上がっていました。
コンテストは年々、質の高い作品が増えています。次回も多くの生命力溢れる作品に出会えることを期待しています。
椎名 誠(作家)
今年は全体にバラエティーに富んだ写真が多かったと感じました。
例年は人間、動物にも決まったテーマが多かったが、今年は意表をつくものがありました。「不屈魂」は、片足で野球の打席にたってまさに球を打とうとしているバッターの写真。野球を知っている人にはわかりますが、結構大変なことです。片足だと踏ん張りが利きにくく松葉杖で支えて打つことは大変。この写真はまさしく命を感じ、ドラマ性があります。
また「たかい、高い!」は、子供を背負っているおじいさんの顔などにドラマがあり素晴らしい。1枚の写真がヒューマンドラマとなっています。
コンテストも16回を迎え、出品される方々が写真を取るのが大変うまくなっていると思います。これは写真技術と撮られている方の感性が向上していることからだと思います。楽しく感動できる写真が多かったので選ぶのは苦労しました。
織作 峰子(写真家)
今年も全体を通して元気をもらえる作品が多かったと思います。特に命の誕生や元気なお年寄りをテーマにした作品には勇気づけられました。
その中でも「不屈魂」は、美しいと感じました。障害がありながら果敢にスポーツに挑む姿は、人々に希望を与える素晴らしい作品でした。「たかい、高い!」は面白い。子どもたち、おじいさんそれぞれの自然な表情の瞬間を切り取った作品となっていました。子どもは1人ではないことも良かったです。このような家族がたくさん増えるといいなと感じ心が優しくなれる作品でした。また「おなじみさん」は、お年寄りの店主が現役で頑張っている姿を伝えていて、見ていてうれしくなる作品でした。
命の誕生をテーマにした作品では「未来を託す」に注目しました。この作品は看護師さんが一生懸命に働いている姿が印象的でした。看護師さんのご苦労が見え、かつ新しい命の誕生を賞賛している良い作品でした。
この世で一番尊いもの、それは「生命」です。次回も生命を見つめる優しく力強い作品を楽しみにしております。