ワークショップ「医学教育における学生参与の可能性を考えよう」を開催
タイムスケジュール
9:00~ | 開会あいさつ | 岡山大学 医療教育統合開発センター 三好 智子先生(助教) | |
事前アンケート結果の共有 | |||
9:15~ | 話題提供① | 岡山大学:今村・大塚 高知大学:立道 | |
9:35~ | グループワーク前半 | アイスブレイク 各大学の学生の教育参画の現状共有と 課題の抽出 | |
ディスカッション内容の全体共有 | |||
11:00~ | 話題提供② | 広島大学:鵜飼 京都大学:外山・池尻 | |
11:20~ | グループワーク後半 | 課題の掘り下げと、具体的かつ独創的な 改善案の模索 ディスカッションのまとめ | |
12:00~ | ディスカッション内容の全体共有 まとめ・クロージング | 岐阜大学 医学教育開発研究センター 鈴木 康之先生 |
2017年10月14日・15日、岐阜大学MEDCが主催する「第66回医学教育セミナーとワークショップ」が岡山大学にて開催されました。ワークショップ8「医学教育における学生参与の可能性を考えよう」では、各大学で医学教育への学生参与に取り組む16大学38名の学生・教員が集まり、各校の取り組みの現状や課題を共有して、改善策を共に考えました。参加者にとって、他大学の医学教育の実情を知り、各大学のカリキュラム委員同士で情報を共有する貴重な機会となりました。
ドクタラーゼ編集部を通じて、今回のワークショップの学生企画者に連絡を取ることが可能です。興味のある方はぜひ、edit[a]doctor-ase.med.or.jp([a]をアットマークに変えてください)までご連絡ください
話題提供
ワークショップの学生企画者らが、自校での取り組みを紹介しました。
岡山大学 医学部
今村 竜太
大塚 勇輝
岡山大学には「医学教育学生会」という組織があり、意見箱やヒアリングを通して学生の意見を集約し、メンバーで話し合っています。また、議題の一部は学生と教員からなる「医学教育連絡会議」で議論されます。臨床実習で役立つ情報をまとめた冊子「POCCE」の編集への協力、5年生から4年生への講義の企画運営など、医学教育への学生の主体的な関わりの窓口として機能しています。
高知大学 医学部
立道 理乃
高知大学BRIDGE(医学教育学生部会)は、2014年に学生有志3名で結成され、①学生と教員との懸け橋に!②先輩と後輩との懸け橋に!の二つを目標に掲げて活動してきました。医学教育に関する学生アンケートをとってカリキュラム委員会で報告するだけでなく、下級生から上級生への学生生活に関する質問事項を募集して、上級生に回答してもらうなど、様々な活動をしています。
京都大学 医学部
池尻 達紀
外山 尚吾
京都大学にはKS-CoM(京都大学医学教育を考える学生の会)という団体があります。臨床実習長期化等のカリキュラム改変をきっかけに、教員-学生間の対話を促すことを目的として有志学生が活動を始めました。現在の活動内容は、KUROME(京都大学医学教育-教員ワークショップ)での「学生の声」の発表や、学生と教員のセミフォーマルな懇談会の開催、教員へのインタビューの実施等です。
広島大学 医学部
鵜飼 翔一
本校のカリキュラム委員会には、都度開催の学生部会・ワーキング部会と、年1回開催の総会があります。医学科生全員からなる学生部会で出た意見は、ワーキング部会に議題として自由に提出できます。ワーキング部会は教授6名、教授以外の教員3名、学部生2名からなり、学生と教員が対等に議決権を持っています。総会には医学部教員の他、県医師会長など外部委員も参画します。
グループワーク
現状の課題と解決策
グループ1
学生の医学教育への参画を拡げるには
課題
・一部の学生に活動の負担が集中している
・ちゃんと進級さえできれば、あとはどうでも良いという考えの学生の存在
・医学教育参画へのモチベーションの維持が難しい
解決策
・役割分担を明確に行うことで、各学生の活動の負担を軽減させる
・1年生の頃から学年の結束を強め、意見を言いやすい雰囲気をつくり、「母校を良くしたい」という意識を根付かせる
・学生のボランティア精神を刺激して、活動に参加してもらう
・自分たちが参画することで、実際に医学教育が変わったという成功体験を、SNS等で拡散する
グループ2
「学生アンケート」について
課題
・学生が「いくらアンケートに回答しても、どうせ教員には伝わっていない」という思いを持ってしまっている
・「自分たちの成績に関係しないなら、アンケートなんてどうでもいい」という意識が学生にある
解決策
・強制的にアンケートに回答するような状況を作る(アンケートに回答しないと出席したとみなされない、など)
・学生が、自発的に「アンケートに回答したい」という気持ちになれるようにする(アンケートに回答すると、欠席してもその分の出席点を考慮してもらえる、など)
グループ3
学生の意見の抽出の仕方について
課題
・やる気がある学生が中心となって医学教育に参画しているが、それ以外の学生の意見が反映されていない
・教員と学生がフランクに話せる機会が少ない
・教員と学生の距離が遠い
解決策
・学生代表が、自分たちの意見をそのまま教員に伝えてしまうのではなく、自分たちの意見や周囲で聞かれる意見をまとめて、学生全体のグループSNS等などで一度共有し、そこで返ってきた反応を踏まえてまとめ直してから伝えるという手順を踏むようにする
・教員と学生の飲み会など、フランクな交流の場を設ける
グループ4
学生主体の医学教育に関する団体がない大学
課題
・学生団体のような団体がない大学が、団体を1から作り出すためにはどうしたらよいか
解決策
・団体を1から作る際の、コアとなる人材を集める
・コアとなる人を集めるために、最初は、各学年から1~2名を強制的に集め、会議を開くようにする
・そこから少しずつ人脈を広げ、徐々にコアとなりうる人材を集める
グループ5
リーダーの育成について
課題
・代表者として、まんべんなく学生の意見を集約するのが難しい
・組織として、継続してリーダーシップをとれる人間を育て、次世代につないでいく方法が必要
・学生と教員の合意形成が円滑にできていない
解決策
・人が意見を言いやすい場所や空間を作る
・学生部会の議事録を公開して、全学生で共有する
・色々な人の意見を聞くために、学生委員を固定性ではなく交代制する
・学生に対し、リーダーシップの研修を実施する
・学生と教員との懇親会を設けたりすることで、学生と教員が同じ問題意識を共有できるようにする
グループ6
広い意見を得る&一般化する
課題
・学年全体は、意見を出してくれる層と、大多数のサイレントマジョリティ層と、進級が危ない層との大きく三つに分けられる。まんべんなく全ての層から意見を集めたい
・アンケートを率直に書いたら成績が不利になったりするのではないかという不安を持つ学生が多い
解決策
・意見を出してくれる学生に対しては、特別なアプローチは必要ない
・サイレントマジョリティ層に対しては、情報公開するなどして、安心してもらえる関係を築く
・進級が危ない層については、まず担任制度を作り、担任教員による直接指導を通して意見を集めていく
・大学側・教員側が、自由に意見を言えるという安心感を与え、学生から集めた意見を反映させるという姿勢を見せる
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- 医師への軌跡:辻 喜久先生
- Information:Winter, 2018
- 特集:学校保健 医師は学校で何ができるか
- 特集:学校保健の全体像
- 特集:case study①学校に出向いて見守る学校医
- 特集:case study②地域と密接に関わる学校医
- 特集:学校保健において医師ができること
- 特集:学校保健に関わるにはどうしたらいいの?
- 「食べる」×「健康」を考える②
- 同世代のリアリティー:臨床心理士 編
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- チーム医療のパートナー:看護師(緩和ケア・在宅)
- レジデントロード:産婦人科 小元 敬大先生
- レジデントロード:耳鼻咽喉科 田中 亮子先生
- 医学教育の展望:医学教育を国際基準で評価し、質を高めていく
- 医師の働き方を考える:チームで負担も喜びもシェアしながら、大好きな栃木県で在宅医療に従事する
- 大学紹介:東北医科薬科大学
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