大学紹介

東海大学

【教育】良医:科学・ヒューマニズムの融和

東海大学医学部 教育計画部長 産婦人科 教授 和泉 俊一郎

和泉先生東海大学医学部は1974年に開設され、当初より「名医より良医たれ」をモットーに「科学とヒューマニズムの融和」を基本理念としています。目覚ましいスピードで進化する医学の最新知識習得のみでなく、ヒトの尊厳に配慮するあたたかな人間性を備えた「良医」育成のために、これまでも先進的な取り組みをしてきています。1997年には国内の先駆けとしての診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)を4年次より導入し、実践的臨床医育成を開始したのもその一つです。また現在5年次の1割(12名)に3か月間欧米(英国カーディフ大学、米国ニューヨーク医科大学・ウェイクフォレスト大学、丁国コペンハーゲン大学)での単位互換の臨床実習が可能になっているのは、1983年ロンドンImperial Collageとの5年次6か月臨床実習の交換留学に始まっています。また、1988年にCase Oriented Systemというカリキュラムを導入し、統合型学習での自己学習・問題解決能力の向上に重点を置いたことも、現在策定中の新カリキュラムの主眼であるOBE(Outcome-Based Education)につながるものです。さらに1987年に学士編入学を開始して以来、様々なバックグラウンドで年齢層も異なる学生が全体の2割以上を占めて一般学生と切磋琢磨し学生間学習が活発なことも特色です。最後に本学の誇れる点は、FD(教員育成)活動が臨床全科の協力の下で年6回以上実行されている事です。基礎的カリキュラムプランニングの2泊3日合宿形式ワークショップ(WS)に始まり、4年次PBL(Problem-Based Learning)で9回使用する新作シナリオも毎年WSで作成しています。臨床重視は今後の卒前教育の要と考え、卒後研修と連動した新カリキュラム(2016年始動)、さらに卒業生の生涯学習につなげていく構想です。

【研究】学部横断的連携による先端医科学研究の推進

東海大学医学部 基礎医学系教授 秦野 伸二

東海大研究1東海大学医学部、及び大学院医学研究科では、自由で闊達な研究活動を推進するため、十数年前からいわゆる旧来の教室講座制を廃止し、研究領域や診療科の枠にとらわれない「研究ユニット」と呼ばれる独自の研究システムを導入しています。また、若手医師・研究者に対する学部内競争的研究資金助成制度を設けることにより、経験豊かな中堅以上の研究者がより先進的な研究を推進できるだけでなく、若手医師・研究者が自らの発想に基づく萌芽的研究を独自に展開できる体制も整備されています。よりハイレベルな研究成果を上げるためには、医師・研究者に加えて、専門的技術を有する技術職員の貢献、及び先端的実験機器の整備は欠かせません。本学では、そのようなニーズに対しても、様々な専門的実験技術(情報科学、遺伝子工学、生化学、細胞生物学、組織解剖学、実験動物学)の提供を行う中核的組織として「伊勢原研究推進部・生命科学統合支援センター」を設置し、総勢40名の技術職員が、大型研究機器の維持管理及び学内外研究者に対する実験・研究のサポートをしています。さらに、医学部及び大学院医学研究科では、総合大学としてのスケールメリットを生かし、東海大学総合医学研究所をはじめとする複数の大学付置研究所との連携、健康科学部、工学部、理学部、海洋学部、農学部などの生命科学に関わる幅広い領域との横断的連携(ライフイノベーション分野での交流)を進めています。このような学部横断的連携による研究体制の確立により、基礎(実験室)から臨床(ベッドサイド)、さらに臨床から再び基礎へといった双方向的医科学研究の遂行が可能となっています。具体的には、本学ではこのような研究体制のもと、ゲノム情報、再生医療、癌、脳神経疾患等の研究が活発に行われており、様々な疾患の原因究明や治療法・治療薬の開発に向けて、学内総力を挙げて取り組んでいます。

【学生生活】多様な刺激を楽しみながら人間性豊かな医師になる

東海大学医学部 5年 伊丹 寛二

東海大学は総合大学なので1年次は文理融合の湘南キャンパスに行きます。そこで医学とは直結しない授業を取るんですが、僕自身も西洋美術の授業を取りました。聖書と絡めた絵画の話がとても面白かったです。学生にも文系・理系の両方がいて、真面目な人から色んな遊び方を知ってる人まで様々で、それが東海大学の魅力なのだと思っています。

医学部のカリキュラムで印象に残っているのは、2年次の福祉施設実習です。僕は障害者施設に1週間お邪魔して、まだまだ医学の知識が足りないなか、食事の介助やトイレを手伝いました。重度障害の方が多い施設で、少し大げさになりますけど人生観が変わったと思います。最終日にはその施設から帰るのがさみしくなるくらいでした。

僕は柔道部に所属していて、周りの人にも「柔道やってる子」と思われています(笑)。東海大学は東医体を6連覇していて、僕のように入学前からの柔道経験者もいますが初心者も多く、自分たちでメニューを考えながら楽しくやっています。高校までは柔道部の寮に入っていたので自由がなかった分、大学に入ってからは時間を見つけて高校時代に憧れていた柔道以外のこともやろうと思っています。今までは、例えば京都のお寺で坐禅修行をしたり、インドに行ってガンジス川で沐浴したりもしました。東海大の周辺は住宅街で遊ぶ所も少ないんですが、登山する人には有名な大山という山があります。よく富士登山の予行練習に使われる山で、僕も休みの日に予定がなかったらよく登りに行ってます。買い物をする時は東京まで出ることが多いです。小田急線を使えば1本で下北沢や新宿まで出られるので、住環境としては快適です。

※医学生の学年は取材時(2014年2月)のものです。

 

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