横倉義武会長は先般、診療報酬の不正請求による詐欺の疑いで女性医師が警視庁に逮捕されたとの報道があったことを受けて、日医として医師の倫理の更なる向上に努める考えを示した。
同会長は、今回の逮捕について、「当人は容疑を否認しているとのことであり、断定的なことは申し上げられない」とした上で、「事実とすれば、国民と医師との信頼関係を大きく損なうものであり、大変遺憾なことである」と指摘。また、同容疑者がタレント活動を行っていたことに関しては、「その是非についてあれこれ意見を言う立場ではないが、"医師である"ことがタレントとしての大きな要素であったと考えると、医師の職務ではない活動においても当然のこととして、品位の保持に努めることが、社会及び医師集団に対する信頼を維持する上での基盤であり、個々の医師にとっての責務であると考える。報道を見ている限りでは、こういった意識が欠けていたのではないか」との考えを示した。
その上で、同会長は、日医における会員の倫理・資質向上に向けた取り組みとして、①平成12年に「医の倫理綱領」、平成16年に『医師の職業倫理指針』、そして平成25年には「日本医師会綱領」を策定したこと②より具体的・実践的な視点から、ワークショップを平成23年より毎年開催し、都道府県医師会の取り組み並びに事例に基づいたケーススタディを行っていること─等を説明。
特に、『医師の職業倫理指針』に関しては、会内の「会員の倫理・資質向上委員会」(委員長:森岡恭彦日赤医療センター名誉院長)において、平成20年以来、8年ぶりに改訂を行うことを目指して、昨年より見直し作業を行っており、4月には日医のホームページを通じて、広く国民からパブリックコメントを募集する予定であることを報告。「寄せられたご意見を参考にしながら、成案を作成し、改めて全会員に配布して、更なる医師の倫理向上に努めていきたい」とした。
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