松本吉郎常任理事は、4月28日の臨時記者会見で、4月24日に開催された中医協の議論で了承された新型コロナウイルス感染症に関する特例的対応のポイントを、(1)入院医療、(2)在宅医療、(3)特措法上の医療施設等―の項目に分けて解説した。
(1)では、4月17日に持ち回りで審議が行われた中医協で、ICU等の評価を倍増させる特例が認められたものの、その対象は大人のみであったことから、24日の中医協で、「PICUやNICUなどについても、同様の評価をすべき」と主張した結果、4月24日に厚労省から発出された事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その14)」において、PICUやNICUに加え、脳卒中ケアユニット入院医療管理料や総合周産期特定集中治療室管理料などで、同様の取扱いが認められたことを紹介した。
(2)では、現在、在宅医療の現場において、訪問診療を継続する必要性があるにも関わらず、感染を懸念する患者や施設側などから、訪問を控えるよう求められる事案があることを踏まえ、24日の中医協では、在宅時医学総合管理料(在医総管)や施設入居時等医学総合管理料(施設総管)についての臨時的・特例的な取扱いが認められたこと等を説明。議論の中では、厚労省に対して訪問診療を継続する必要がある患者の場合には、施設等が訪問を拒否しないよう要請することを求め、厚労省から速やかに対応する方針が示されたとした。
その上で、「今回の対応で、入院、外来、在宅と、一通り揃ったことになったが、これまで現場のニーズに応じ、特例的な取扱いを迅速に認めていったことは、一定の評価ができる」と述べるとともに、院内感染対策防止等の観点から、無症状感染者などに対してPCR検査を実施する場合など、診療報酬上の更なる対応が必要となれば、その都度、厚労省に要請していきたいとした。
(3)では、緊急事態宣言に基づき、都道府県知事が、臨時の医療施設としてプレハブ等による仮設の医療施設を設置した場合の対応について解説。24日の中医協では、新型インフルエンザ特別措置法上の臨時の医療機関は、今後、地域によってさまざまなものが登場してくると考えられることから、「今回の対応は、とりあえずの大枠の対応であり、個々の事例によって、柔軟な対応・運用が必要になる」「臨時の医療施設は、通常の医療機関とは異なり、レセコンも無いなど、十分な事務処理能力が無いことも予想される」―ことを指摘するとともに、外来医療の場合でも、各種届出や様式等の書類作成時について、実状に応じた柔軟な運用が必要になることを主張したことを説明した。
更に、補足として、地域の医師会等が都道府県からの委託を受けて、「地域外来・検査センター」や「PCR検査センター」を開設していることに言及。このような場合も、保険医療機関としての指定を、迅速かつ柔軟に行えるような手続きが既に示されているとした。
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