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令和2年(2020年)5月14日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

新型コロナウイルス感染症に対する日医の見解について

 釜萢敏常任理事は5月13日の定例記者会見で、緊急事態宣言の一部解除等の内容が既に確定しているかの如く報道がなされていることに対して懸念を示すとともに、国民に対して改めて感染拡大防止に向けた取り組みへの協力を求めた。

 同常任理事は、まず、明日14日の午前中に開催される、感染症対策専門家会議並びに基本的対処方針等諮問委員会において、現状の課題について検討されることになっているにもかかわらず、既に緊急事態宣言の一部が解除されることが決まったかのような報道がなされていることに懸念を示した上で、現在、大きな検討課題である緊急事態宣言指定地域の解除の基準について、直前までのデータを精査し、専門家会議から既に示されている、(1)感染状況、(2)医療提供体制の整備状況、(3)検査モニタリング体制の状況―の3つの評価の視点を基に判断していくとして、改めてその内容を説明した。

 「感染状況」については、新規の感染者数が確実に減少し、感染が終息に向かっているということが国民に分かりやすく、目に見える形で示すことが必要であるとした他、地域ごとの感染状況については1つの指標を使って平均値を出す手法が検討されていることを明らかにした。

 「医療提供体制の整備状況」については、「特に重要」との認識を示した上で、「医療提供体制に対する評価は、その地域の状況を一番正確に把握している都道府県と国との間でしっかりとした情報の連携の下、適切な医療提供体制を判断することが重要になる」と指摘。医療提供体制の評価を数値化すべきとの意見があることに対しては、数値化できる部分も一部あるとする一方、大部分は総合的な評価判断が必要であり、全て数値化できるわけではないとの認識を示した。

 「検査モニタリング体制の状況」として、PCR検査の陽性率を用いることに関しては、都道府県ごとにその評価方法が異なっている現状を説明した上で、「今後、新たに国から一律の評価方法が示されればかえって現場が混乱し、過酷を極めることになる。解除の指標に用いることは難しいのではないか」とした他、唾液による抗原検査が可能になることについては、地域の医療現場の状況の改善が期待されるとして、その早期実用化に期待感を示した。

 最後に、同常任理事は、「仮に緊急事態宣言が解除されることになれば、気持ちの緩みから、感染の拡大がすぐに起きることは明らかである。解除できるところは解除すべきであるが、不要不急の都道府県間の移動を控えるなどのこれまでのような感染拡大防止に向けた取り組みは今後も続けていくべきである」として、引き続き、感染者を増やさない取り組みに対する協力を求めた。

新型コロナウイルス感染症

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