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令和2年(2020年)8月5日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

「新型コロナウイルス感染症対策再強化宣言」を宣言

 中川俊男会長は、7月15日の定例記者会見で、昨今のトピックスとして、(1)令和2年7月豪雨災害、(2)乳腺外科医控訴審判決、(3)新型コロナウイルス感染症対策、(4)骨太の方針2020―の4点を挙げ、それぞれに対する見解を述べた。
 特に(3)については、首都圏を中心に新規感染者数が増加していることを踏まえ、日医として「新型コロナウイルス感染症対策再強化宣言」を宣言した。

 中川会長は、(1)の豪雨災害について、熊本・鹿児島を始め、福岡・大分・岐阜等の関係医師会とも情報共有をしてきたことや、日本医師会災害医療チーム(JMAT)による被災地の医療支援を実施していることを説明(別記事参照)。中国地方も豪雨に見舞われていることに触れ、「今後も豪雨が続く恐れがあるため、引き続き警戒を緩めないようにしなくてはならない。被災地の一刻も早い復旧をお祈りするとともに、日医も引き続き支援を続けていく」と強調した。
 (2)の乳腺外科医の控訴審判決については、東京高裁が一審の無罪判決を破棄し、懲役2年の実刑判決を言い渡したことに、「体が震えるほどの怒りを覚えた。日医は、この控訴審判決が極めて遺憾であることを明確に申し上げる」と述べ、今後も全力で支援していく姿勢を示した。
 (3)の新型コロナウイルス感染症対策に関しては、首都圏を中心に新規感染者数が増加していることを踏まえ、日医として「新型コロナウイルス感染症対策再強化宣言」を宣言。国民に対し、感染対策の原点に立ち戻り、「3つの密」(密閉空間、密集場所、密接場面)を避けることを改めて要請した。
 また、政府が流行収束を前提として取り組みを進めていた官民一体型の消費喚起キャンペーンが一部前倒しして実施される予定であることについては、「県境を越えた移動が発生するため、全国の会員の先生から心配と懸念の声が多く寄せられている。このキャンペーンは感染症の流行収束を前提としたものであり、極めて慎重に対応しなくてはいけない」と指摘。
 各業界に感染拡大防止ガイドラインの遵守を求めた他、日医としても厚生労働省等と調整している「医療機関等における新型コロナウイルス感染症対策チェックリスト」に準拠した医療機関に掲げる「みんなで安心マーク」を準備中であるとした(別記事参照)
 (4)の「骨太の方針2020」に関しては、10日に公表したプレスリリースを踏まえ、改めて、①薬価調査・薬価改定②医療機関経営③オンライン診療―の主に3点で懸念がある(別記事参照)とし、特に薬価調査・薬価改定について、「中医協においても、薬価調査は新型コロナウイルス感染症下で行うことができないというのが現場の一致した意見であり、技術的に不可能。そのような状況での調査結果を公的なデータとして活用すれば、現場との齟齬(そご)が生じる懸念がある」とした。
 更に、医療機関経営について、「骨太の方針2020」の原案に「患者が安心して医療を受けられるよう、引き続き、医療機関の経営状況等も把握し、必要な対応を検討し、実施する」と記載されていることに対し、「新型コロナウイルス感染症による医療機関経営への影響は深刻で、来年度の予算編成を待てる状況ではない」と強調。国に対して、速やかな実態把握と追加支援を要請していく意向を示した。
 記者との質疑応答の中で、「新型コロナウイルス感染症対策再強化宣言」が「緊急事態宣言」の発令を求めるものかとの問いには、「宣言の発令は政府が決めることであり、日医として出すべきだとは、現時点では申し上げない」と回答。
 「Go Toキャンペーン」については、現状のように新型コロナウイルス感染症の収束していない状況で前倒しして実施されることで地方への感染拡大を招くのではないかとの懸念を改めて示した。

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