大学紹介
金沢医科大学
【教育】人間性豊かな良医育成を目指して
金沢医科大学 教務部長 望月 隆
本学は昭和47年に日本海側で唯一の私立医科大学として、学都金沢の海側の窓である内灘の地に設立され、以来大学をあげて建学の精神にある良医の育成、知識と技術の探求、社会貢献に努めてきました。高度な医療の発展・進歩への寄与は、悩める病人個人の全体像の把握や生命への畏敬と背反する可能性が内在しています。私たちは医学部生、そして研修医の教育を通じてこの両者のバランスが取れた、人間性豊かな良医の育成を実践しようと考えています。
本学の特色は学生‐教員間の距離が近く、身近にロールモデルがいること、少人数教育による問題解決能力の涵養、そしてクリニカルシミュレーションセンターでの実践的医療技術の習得があげられます。シミュレータを使った教育でも、常にその向こうに患者さんの存在を意識することで、効果的に現場で役立つ技術の習得にあたってもらっています。年々厳しさを増す国家試験対策でも、本学の伝統と言えるアットホームな雰囲気を維持することで、メリハリのついた試験対策が行われていると考えています。さらに第6学年は個人の机が割り当てられた「Student Doctor医局」が勉学の拠点になりますが、平成26年秋には現在建設中の医学教育棟に展開する予定であり、ソフト・ハード両面から勉学を支援する体制が整ってきました。
本学は地方の大学病院の中でも研修医採用率が高く、以上のような教育が卒業生にも支持されていると実感しています。
【研究】リサーチマインドを持った医師養成に向けて
金沢医科大学 大学院医学研究科長 芝本 利重
金沢医科大学での医師、医学者としての研究の場は学生の頃から提供されます。夏季休暇中に臨床・基礎の研究室が学生に開放され、各教室から提示された研究課題にマッチすれば自由に研究に参加し、体験することができます。中にはその後、引き続いて学業と両立させ、研究を継続する学生もみられます。最近ではいくつかの学会の総会で学生の研究発表のセクションが設けられるとともに、優秀な発表をした学生を表彰する制度もあり、本学学生も日本病理学会総会などで優秀発表賞を受賞しております。また、学生の中には在学中に論文を発表する者もいます。
しかし、本格的な研究は卒業後大学院に入学してから始まります。大学院医学研究科は自立して研究ができる人材の育成を目的として昭和57年に開設されました。平成15年度から「生命医科学」の1専攻に改組後、生体機能形態医学、生体制御医学、健康生態医学の3専門分野から構成され、それさらに46の専門科目に分かれています。現在、約100名の担当教員が指導にあたり、学生定員は140名です。平成25年度末までに453名の課程による医学博士が誕生しています。平成25年度からは初期臨床研修医の2年次からの入学が可能となり、同年度には定員を超える学生が入学し、気を帯びています。また、学生が希望すれば、各研究室の垣根を越えて自由に他の研究室で学べる研究室間の連携も進めています。さらに、研究の活性化を目指し、学内外の教室との共同研究を奨励して、研究費を援助しています。特に大学院を卒業したばかりの研究実績のない若手に対して、奨励研究制度も設けています。文部科学省の科学研究費に応募したもののもう一歩のところで獲得できなかった者に対しては、「アシストKAKEN」と称して次年度科研費獲得支援を目的とする研究費の補助も行っています。このように、リサーチマインドを持った臨床医育成に向けて、きめ細かな手厚い研究支援のもとに、研究活動を活発に行っております。
【学生生活】熱く、泥臭く、助けあって。
金沢医科大学医学部 5年 岡本 隼樹
金沢医科大学の特徴の一つに、学生の出身地がばらばらなことが挙げられます。地元出身の学生は2割くらいで、後は北海道から沖縄まで、本当にいろんな所から来ています。だから人によって話し方も違うし、考え方や性格も若干違ってくる。そうした環境で学生生活を送ることで、自分の視野が広がっていると感じます。うちの大学には県人会があるんですが、そこでは出身地域別に学生が集まって、場合によっては先生方にも来ていただいて、みんなで飲んで親交を深めています。学年という横の関係だけではなく、県人会を通して縦の関係も築けるという点が魅力の一つですね。
4年次の公衆衛生実習では、大学がある内灘町に住む方の家に2週間に1回お邪魔して、継続的に医療面接をさせていただきます。僕は70代の男性に対して既往歴などの聞き取りから始めて、血圧測定や尿検査、保健指導などを行いました。患者さんのお宅に上がるので最初の頃は緊張したんですが、その方にはまるで孫のように接していただいて(笑)、とても良い関係を築くことができたと思います。実際にお家の中まで入って健康についての様々な相談を受けることで、将来どういう風に患者さんと接するべきかを考えるきっかけになりましたし、自分が目指すべき医師が見えた気がします。
金沢医科大学は医科大学で規模も大きくないですが、その分学年全体、大学全体で仲良くというか、助け合っていかなければいけないという考方があります。実際に、仲がいい学年はお互いに教え合うからか、国試合格率も高いと聞いています。都会的なドライな子より、多少泥臭くてみんなと仲良く助け合いたいっていう熱い子に向いた大学じゃないかと思います。
〒920-0293 石川県河北郡内灘町大学1丁目1番地
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- 同世代のリアリティー:宗教者(僧侶) 編
- チーム医療のパートナー:歯科医師
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- 10号-11号 連載企画 医療情報サービス事業“Minds”の取り組み(前編)
- 地域医療ルポ:兵庫県赤穂郡上郡町|大岩診療所 大岩 香苗先生
- 10年目のカルテ:神経内科 中嶋 秀樹医師
- 10年目のカルテ:神経内科 木下 香織医師
- 10年目のカルテ:神経内科 島田 斉医師
- 医師の働き方を考える:全ての医師が働き続けられる仕組みを作る
- 医学教育の展望:日本独自のエビデンスを作れる医師を育てる
- 大学紹介:筑波大学
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