日本医科学生総合体育大会

西医体の開催中止について

第74回西医体の中止を受けて

第74回西医体第74回西日本医科学生総合体育大会 運営委員長
浜松医科大学医学部医学科4年 柳田 心吾

第74回西日本医科学生総合体育大会は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中止となることが評議会・理事会での審議の結果、決定いたしました。

第72回・第73回と2年連続で中止となっており、3年ぶりの西医体開催に向け、感染対策など、運営委員、競技担当の学生共々準備を進めてきました。

しかし、第7波という未曾有の感染拡大を前にして、開催直前となってしまいましたが、安心・安全な大会運営が困難という苦渋の決断に至りました。

大変残念な結果になってしまいましたが、歴史あるこの大会を続けていくためにも、感染対策を含め次年度に確実につなげていきたいと考えております。

医師会はじめ、行政や競技連盟など、各方面の方々から多くのご支援・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

今後とも変わらぬご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

やっぱり中止せざるを得ないのかぁ、第74回西医体

第74回西日本医科学生体育連盟 理事長
浜松医科大学 理事(教育・産学連携担当)・副学長 山本 清二

西日本医科学生総合体育大会(西医体)は、70年あまりの歴史を持つ体育大会です。今回、このような大会の代表主幹を務めさせていただくことに、学生のみならず大学全体が大変光栄に感じるとともに、その重責を痛感していました。

過去2回は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、やむを得ず中止となりました。伝統ある西医体を何とか開催したいという想いと、中止になると部活動の中心的役割を果たす学年に西医体経験者がいなくなるという危機感もあり、運営委員をはじめとする学生たちは開催できると信じて必死に準備を進めてきました。特に安全対策として「新型コロナウイルス感染拡大防止に関する基本方針(感染対策ガイドライン)」を策定、国体でも使用された体調管理アプリを使えるようにし、万全の体制で臨んでいました。今年のスローガンは「うなぎのぼりの西医体」、西医体がさらに大きく飛躍する変曲点になると期待させるものでした。

7月に入り、全国的に感染は急激に拡大、医療はひっ迫しつつありました。そうしたなかで、感染拡大に伴う部活動停止で大会での怪我が懸念されること、医療ひっ迫により熱中症や怪我など有事の際に参加者の安全が確保できないこと、派遣医師の不足や運営委員の感染で大会運営ができないことなど、安心・安全な運営が困難になる可能性が非常に高いことを運営委員は懸念するようになり、感染対策ガイドラインの中止条件「その他新型コロナウイルスに起因する事象により大会の開催が困難と想定される場合」に該当すると判断し、評議会と理事会で慎重に議論した結果、大会2週間前に中止という苦渋の決断をしました。

運営委員は、何としても大会を開催するという気持ちで準備を進めてきており、参加予定の学生も「今年はやってくれる」という期待が大変大きかったと思います。それでも大会中止を選択した運営委員の胸中は複雑だったはずです。私は常々「医学生は学年を問わず全員が医療機関に属する人間であり、医療従事者としての自覚と振る舞いを社会から求められている。その自覚を持って日常生活にも細心の注意を払ってほしい」と言ってきました。運営委員は、自分たちが医療従事者として取るべき方針を考えた時に、医療ひっ迫を助長する可能性のある西医体を運営するべきではないと考えたのだと私は思っています。次年度の大阪大会を開催できるよう、感染対策ガイドラインをはじめ様々なノウハウを伝え、運営委員は全力でサポートすると言っています。今回の中止を次回開催につなげたいという運営委員を、温かく見守り応援していただきたいと思います。

終わりに、ご協力・ご尽力いただいた関係各位に心から感謝申し上げるとともに、今後の西医体の益々の発展を祈念いたします。


※寄稿:2022年8月

※寄稿者の所属は寄稿時のものです。

No.43