2024年2月21日
第7回 生命(いのち)を見つめるフォト&エッセー 受賞作品
小学生の部【優秀賞】
「ながいきしてね、おおばあば」
大重 明花里(7歳)鹿児島県
「おおばあばにあえるの。やったあ。」
わたしはとってもうれしくて、ばんざいをしてよろこびました。おおばあばは、わたしのひいおばあちゃんです。ひいおばあちゃんは96さい。グループホームでくらしています。コロナウイルスをうつしたらいけないので、あいにいくことができませんでした。ひさしぶりにあえるので、わたしはわくわくしていました。おとうさん、おかあさん、おねえちゃんもうれしそうでにっこりえがおです。
グループホームにつくと、ひいおばあちゃんは、びっくりしたかおで、
「あかりちゃん、よくきたね。おおきくなったね。なんさいになったの。」
ときいてきました。わたしは、
「6さい。いちねんせいになったよ。」
とこたえました。
「もういちねんせいなの。おおきくなったね。」
ひいおばあちゃんは、にこにこやさしいえがおでいいました。かぞくでたのしくおしゃべりをしていました。しばらくすると、ひいおばあちゃんが、
「あかりちゃん、なんねんせいになったの。」
といいました。わたしは、「あれ、さっきこたえたよ。きこえなかったのかな」と、こころのなかでおもいました。
「いちねんせいになったよ。」
こんどは、おおきなこえでいいました。
「いちねんせい、おおきくなったね。」
さっきとおなじへんじでした。「ひいおばあちゃん、どうしたの。みためはいつもとおなじだけど、はなすとちょっとちがう」わたしはふしぎなきもちのまま、いえにかえるじかんになりました。
「おおばあば、またくるね。」
おおきくてをふってわかれました。ひいおばあちゃんがにっこりわらいました。わたしはきゅうになみだがぽろぽろあふれてきました。あえてすごくうれしかったのに、すこしさみしくなりました。かぞくもえがおがきえてさみしそうでした。おとうさんが、
「これがとしをとるということだよ。おなじことをきくのは、おおばあばがわるいわけではないよ。」
といいました。わたしは、おなじことをなんどきかれても、いやなきもちにはぜんぜんなりませんでした。わたしは、ひいおばあちゃんがだいすきです。ひいおばあちゃんのやさしいえがおは、みんなのこころをたいようみたいに、あたたかくしてくれます。つぎあったときも、ひいおばあちゃんは、またおなじことをきくかもしれません。それでもわたしはいっぱいいっぱいおはなししたいです。
おおばあば、テストでひゃくてんとったよ。おともだちもたくさんできたよ。はなしたいことがいっぱいあるよ。ひゃくさいまでながいきしてね。
第7回 受賞作品
一般の部: 【 厚生労働大臣賞 】
【 日本医師会賞 】
【 読売新聞社賞 】
【 審査員特別賞 】
【 審査員特別賞 】
【 入選 】
【 入選 】
中高生の部:【 文部科学大臣賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
小学生の部:【 文部科学大臣賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】