2020年10月7日
生命(いのち)を見つめるフォト&エッセー
人間や動植物のいのちの輝く一瞬をとらえた写真や、医師や看護師、患者との交流をつづったエッセーを募集する「生命(いのち)を見つめるフォト&エッセー」を開催しています。
本コンテストは、これまで長年にわたり開催されてきた 「生命(いのち)を見つめるフォトコンテスト」と「『心に残る医療』体験記コンクール」を統合、リニューアルしたもので、見た方、読んだ方が、生命(いのち)を見つめるきっかけとなるような作品を募集しています。
「第4回 生命を見つめるフォト&エッセー」のコンテスト概要の詳細は 公式ホームページ をご覧ください。
第3回 生命を見つめるフォト&エッセー 入賞者
フォト部門
※受賞作品名をクリックして頂くと別ウィンドウで開きます。
審査員からのひとこと
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■野町和嘉(写真家/日本写真家協会会長)
厚生労働大臣賞の「ひぃおばあちゃん頑張って!」は、家族やお隣が深くつながっている田舎ならではの光景でしょう。おばあちゃんからひ孫まで大家族の温かさに好感が持てます。老いを隠せない、ややぎこちない動きでスイカ割りに挑戦するおばあちゃん。思い思いの表情で応援する子どもたちの天真爛漫な姿に、のびやかな家族の絆が感じられ好感の持てる良い写真です。
日本医師会賞の「末は横綱」は目線、というか表情につきます。子どもの相撲の写真はよくありますが、恥じらいや、土俵に立つ子どもの戸惑いの一瞬を的確に捉えた微笑ましい一枚です。順光ではなく、半逆光であることも作品に深みを与えています。
読売新聞社賞の「健闘を讃えあう」は、何よりも両足が義足のランナーをこのアングルから撮影できたことが素晴らしいと思います。正面から捉えるよりも、この後ろ姿がさまざまな思いを物語っています。まさに写真でしか表せないヒューマニティがしっかり表現できた秀作です。
審査員特別賞の「母から子へ」は、後ろに広がる伸びやかな夕景を広く入れたことで、猫たちが暮らしている穏やかな環境がよくわかります。母と子の絆が感じられる一瞬を撮った味わいのある作品になっています。 -
cIwago Photographic Office■岩合光昭(動物写真家)
厚生労働大臣賞の作品は、ひ孫たちの表情がとてもいいです。何も考えない笑いがそこに表れています。本当に一瞬だったと思うのですが、その一瞬が捉えられており、とても力がある作品だと思います。
日本医師会賞の作品は、本当に末は横綱かな? と思いつつ、一生懸命さがいいですね。手の力の入り具合がとても好きです。ピントが顔よりも手に当たっていますが、手を使うことは人としての特徴でもありますので、手の表現・表情はとても大切です。
読売新聞社賞の作品は、タイムリーな題材です。体の美しさや表情とともに、「動くことは生きることであり、生きることは動くことだ」というメッセージが心に響いてきました。
猫の写真は厳しく見ているつもりですが、その中でも審査員特別賞の作品は、色のトーンが郷愁を誘い、子猫が母猫を慕っている様子が伝わってくる気がします。猫という動物ではありますが、人のことについても考えさせる作品だと思います。 -
■松下奈緒(女優/音楽家)
厚生労働大臣賞の作品は、縁側に座った、子どもたちそれぞれの表情が生き生きとしていて、楽しい雰囲気やかけ声が伝わってきました。ある夏のひとときというような、日常を切り取った誰もカメラを意識していない空気感も素敵だと思いました。この後、スイカは無事に割ることができたのでしょうか?
日本医師会賞>の作品は、今回たくさんの応募写真を見ていくなかで最初に目に留まりました。この表情が色々な感情を物語っているようでとても好きな写真です。読売新聞社賞は、一人の選手の笑顔に対し、もう一人の選手の表情がうかがえない所が、観る人の想像を掻き立たせる作品だと思いました。背景に誰も写っていなくて、主人公が二人だけなのも良いと思いました。
審査員特別賞の作品は、画角の切り取り方が好きです。寄りすぎでもなく、引きすぎてもなく。オレンジのライトも自然で素敵です。お互いが見合っているのではなく、子猫は見上げて、母猫はまっすぐ前を見据えている状況が、親子を象徴している感じがします。
エッセー部門
一般の部
- 厚生労働大臣賞
- 「自然のなかのいのち」
- 矢野 富久味(高知県)
- 日本医師会賞
- 「拝啓、がん様」
- 安藤 かおり(鹿児島県)
- 読売新聞社賞
- 「肌の色をした絵の具」
- 三品 麻衣(東京都)
- 審査員特別賞
- 「気持ち悪い先生」
- 田中 彩子(東京都)
- 入選
- 「一人の一途な若者の生涯」
- 宮寺 良平(兵庫県)
- 入選
- 「命をみつめて」
- 成田 亜樹子(北海道)
- 入選
- 「母の宿題 息子の宿題」
- 浜口 喜代子(東京都)
- 入選
- 「いらない命は ない」
- 髙本 和昌(東京都)
- 入選
- 「命の勲章」
- 山内 千晶(福岡県)
中高生の部
- 最優秀賞
- 「医者よりも"癒者"に」
- 菅野 莉子(栃木県)
- 優秀賞
- 「父の想いを知って」
- 今村 咲(東京都)
- 優秀賞
- 「旅立ちのお手伝い」
- 岡田 経奨(広島県)
- 優秀賞
- 「無脳児の母、16歳の決断」
- 尾﨑 榛名(東京都)
小学生の部
- 最優秀賞
- 「生まれてきてよかった」
- 薛 知明(愛知県)
- 優秀賞
- 「ふんばる力の源は?」
- 横山 紗来(兵庫県)
- 優秀賞
- 「豆つぶだったぼくの成長」
- 渡邉 洵(神奈川県)
- 優秀賞
- 「難聴を通して感謝を伝える」
- 臼杵 華(香川県)
審査員からのひとこと
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■養老孟司(東京大学名誉教授/解剖学者)
毎回のことだが、病気をめぐる話題が多くなる。健康に関する話題がもっとあってもいいと思う。OECDの調査で「自分は十分に健康だ」と答えたのは、日本人では3割、35か国中で最低だった。「いのち」から連想されるのが病気や障害、死であるのは、日本の現代社会では当然なのであろう。とはいえ健康に生きること、さまざまなことを忘れて、子どものように夢中で生きることも、大切ではないか。
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■玄侑宗久(作家/福聚寺住職)
今回も読み応えのある作品がたくさんあった。なかには読んで辛くなるような病気の方もおり、また医療との出逢いもじつにさまざまだが、田中さんの描いた「気持ち悪い先生」と「感じ悪い先生」は象徴的だった。最近は、確かにパソコンにばかり向かっている「感じ悪い先生」が多く、なんとかならないかとも思う。一方で厚生労働大臣賞を受賞された矢野さんの作品は感動的だ。「どんどん美しくなっていった」死に顔は私も出逢ったことがあるが、それも無理はないと思えるような物語が綴られていた。しかもここに描かれるお医者さんは、本当にこんな先生がいるの?と思うような方だ。人生の「妙」を感じさせる原稿を、来年も期待したい。
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■水野真紀(女優)
審査を務めるようになって3回目ですが、様々な立場から「生命を見つめる」視点には、心動かされることばかりです。作品の数々に、「生命」と伴走する息遣い、それは弾んでいたり、苦しかったり、様々なのですが、その息遣いを感じながら読み進むうちに、自分まで筆者と共に走っているような感覚になるのです。この感覚は、ドラマや小説では得られない不思議なものです。
改めて考えてみたのですが、作品其々が、病院内も含めた日々の暮らし・生活と密着しているからこそ、引きつけられるのかもしれません。
「生命を見つめる」暮らし・生活、そこに少しの伝えたい気持ちと勇気があれば、多くの人の支えとなることを強く感じた『第3回 生命を見つめるフォト&エッセー』でした。
第4回 コンテスト概要
<日程>
- 応募期間
- 2020年5月14日(木)~10月7日(水)(必着) ※応募は締め切りました。
- 入賞者発表
- 2021年2月(予定)
- 受賞作品新聞紙面
・ウェブサイト掲載 - 2021年2月(予定)
- 表彰式/記念パーティー
- 2021年2月(予定)※新型コロナウイルスのため中止となりました。
<賞>
フォト部門
一般の部
- 厚生労働大臣賞(1点)
- 賞金10万円、賞状他
- 日本医師会賞(1点)
- 賞金10万円、賞状他
- 読売新聞社賞(1点)
- 賞金10万円、賞状他
- 審査員特別賞(1点)
- 賞金5万円、賞状他
- 入選(若干名)
- 賞金3万円、賞状他
小中高生の部
- 文部科学大臣賞(1点)
- 図書カード3万円分、賞状他
- 優秀賞(若干名)
- 図書カード5,000円分、賞状他
エッセー部門
一般の部
- 厚生労働大臣賞(1点)
- 賞金30万円、賞状他
- 日本医師会賞(1点)
- 賞金30万円、賞状他
- 読売新聞社賞(1点)
- 賞金30万円、賞状他
- 審査員特別賞(1点)
- 賞金10万円、賞状他
- 入選(若干名)
- 賞金3万円、賞状他
中高生の部
- 文部科学大臣賞(1点)
- 図書カード3万円分、賞状他
- 優秀賞(若干名)
- 図書カード5,000円分、賞状他
小学生の部
- 文部科学大臣賞(1点)
- 図書カード1万円分、賞状他
- 優秀賞(若干名)
- 図書カード5,000円分、賞状他
<概要>
- ①フォト部門
- 今回から「小中高生の部」を新設し、新たにテーマを設定します。今回は、「親子」「笑顔」をテーマに、生命(いのち)の尊さ、大切さを感じさせる写真を募集します。人間、動物、自然など被写体は自由です。
- ②エッセー部門
- 病気やけがをした時の思い出、介護や生命の誕生にまつわる話、医師や看護師、患者との交流など、医療や介護に関するエピソード、お世話になった医師や看護師ら宛てに送ったという想定の「感謝の手紙」などを募集します。
※小学生の部では、「家族や自分が病気やけがをした時の話」「兄弟姉妹が生まれた時の話」「家族や自分が健康のために心がけていること」などを募集します。身近な生き物の話にまつわるエピソードも可能です。
<審査員>
- ①フォト部門
- 野町 和嘉(写真家/日本写真家協会会長)
岩合光昭(動物写真家)
松下奈緒(女優/音楽家)
他
- ②エッセー部門
- 養老孟司(東京大学名誉教授/解剖学者)
玄侑宗久(作家/福聚寺住職)
水野真紀(女優)
他
フォト部門応募規定
応募規定
■応募作品は、本人撮影の未発表の作品に限ります。
※デジタルカメラで撮影したもの、デジタルプリントも応募可能です。
※500万画素以上であれば携帯電話等での撮影も可能です。
※画像処理等の加工、合成及び組み写真は不可とします。
■作品のプリントサイズは、キャビネ判(2L)とします。
■応募作品は、2017年6月1日以降に撮影したものに限ります。
■応募は1人3点までに限ります。
応募方法
■ウェブサイトからの場合は公式ホームページの応募フォームより応募してください。
■郵送の場合は、応募作品の裏に、題名、氏名(ふりがな)、性別、年齢(生年月日)、郵便番号、住所、電話番号(FAXがあればFAX番号も)、メールアドレス、職業(または学校名、学年)、撮影年月日、撮影場所、撮影に使用したカメラ等の機材名を明記した紙を貼り、下記の住所に送って下さい(応募用紙は公式ホームページよりダウンロードしてご利用下さい)。
※なお、審査期間中にオリジナルデータを提供していただく場合があります。
※ご記入いただいた個人情報は、受賞した場合の連絡、作品に関する問い合わせ、取材、本コンテストに関するご案内のみに使用し、それ以外の目的での使用や、第三者に譲渡することはありません。
※氏名は実名のみの受付となります。
注意事項
■盗作、二重応募、類似、事実ではない創作作品の応募は固くお断りいたします。応募作品について、盗作等による著作権侵害の争いが生じても、主催者は責任を負いません。
※すでに書籍化したものや、公の刊行物に掲載されたものは応募不可とします。
※違反が確認された際は、受賞決定後も賞の取り消しとなる可能性があります。
■応募作品は返却いたしません。
■入賞作品についての著作権は、撮影者に帰属します。ただし、入賞作品について、読売新聞紙上及びその他広報物に使用する権利は、主催者が有します。
■入賞作品の発表では、新聞紙面およびウェブサイトに、作品と実名、年齢を掲載します。ペンネーム、イニシャル等による発表はできません。
■医師および医療従事者も応募可能です。
エッセー部門
応募規定
■自作の未発表作品に限ります。
■一般・中高生の部:2,000字(原稿用紙1~5枚)以内。
■小学生の部:1,200字(原稿用紙1~3枚)以内。(ペットや動物の命にまつわるエピソードも応募可能)
※パソコン、ワープロ使用の場合、1ページ400字(20字×20行)。
※ウェブ応募の際は公式ホームページからダウンロードしたテンプレートを使用してください。
応募方法
■ウェブサイトからの場合は公式ホームページの応募フォームより応募して下さい。
■直筆の場合、鉛筆(Bまたは2B)、ボールペン、万年筆のいずれかを使い、濃く書いて下さい。
■郵送の場合は、作品に応募用紙をつけて、題名、氏名(ふりがな)、性別、年齢(生年月日)、郵便番号、住所、電話番号(FAXがあればFAX番号も)、メールアドレス、職業(または学校名・学年)を明記して下さい。封筒の表に「一般の部」または「中高生の部」、「小学生の部」を明記し、下記の住所に送って下さい(応募用紙は公式ホームページよりダウンロードしてご利用下さい)。
※ご記入いただいた個人情報は、受賞した場合の連絡、作品に関する問い合わせ、取材、本コンテストに関するご案内のみに使用し、それ以外の目的での使用や、第三者に譲渡することはありません。
※氏名は実名のみの受け付けとなります。
注意事項
■盗作、二重応募、類似、事実ではない創作作品の応募は固くお断りいたします。応募作品について、盗作等による著作権侵害の争いが生じても、主催者は責任を負いません。
※すでに書籍化したものの要約や、公の刊行物に掲載されたものは応募不可とします。
※違反が確認された際は、受賞決定後も賞の取り消しとなる可能性があります。
■応募作品は返却いたしません。
■入賞作品についての著作権は、主催者に帰属します。入賞作品は、主催者が管理するウェブサイトで使用されるほか、新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・書籍・教材などに利用されることがあります。
■入賞作品の発表では、新聞紙面およびウェブサイトに、作品と実名、年齢を掲載します。ペンネーム、イニシャル等による発表はできません。
■医師および医療従事者も応募可能です。
<郵送での応募>
応募・お問い合わせ先
〒100-8055 東京都千代田区大手町1-7-1
読売新聞東京本社 次世代事業部「生命を見つめるフォト&エッセー」係
TEL:03-3216-8598(平日午前10時~午後5時)
または[公式ホームページ]まで