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診療報酬ってどうやって決まっているの?

診療報酬診療報酬の改定は2年に1回行われています。改定の前年度の12月中~下旬に改定率が決定されます。

診療報酬の項目は全部で5,000項目以上にものぼるため、一度の改定で触れられるのは200~300項目程度です。そのため改定の前年度の夏頃から、社会保障審議会の医療保険部会・医療部会が、どのような方向で改定するかについての審議を行い、「診療報酬改定に係わる基本方針」を策定します。またこれに並行して、日本医師会をはじめ、各学会や医療職の団体など、医療に関係する団体が、医療現場で働く医師や医療関係者の意見を取りまとめ、厚生労働省に対して要望書を提出します。

改定率や基本方針が決定すると、診療報酬改定の具体的な中身の審議が始まります。この審議を行うのが、厚生労働省に設置された審議会等の一つである、中央社会保険医療協議会(以下、中医協)です。中医協は、報酬を受ける側(診療側委員)・報酬を支払う側(支払側委員)・公益を代表する側(公益委員)の三者によって構成され、この三者が、それぞれの立場を代表して議論に参加しています。

診療側委員は、日本医師会をはじめ医師・歯科医師・薬剤師を代表する団体から、支払側委員は保険者を代表する団体から、公益委員は社会保障を専門とする有識者などからそれぞれ選出されています。また、中医協に直接参加することはありませんが、意見を提出することのできる専門委員が、他の医療職の団体や企業の代表から選出されています。その他、医療現場や患者等国民の声を広く聴くため、パブリックコメントの募集や公聴会の開催などが行われます。公聴会には、一般の方でも参加できます。

中医協は、診療報酬点数の改定案を厚生労働大臣に答申します。厚生労働大臣はそれを受け、3月上旬に診療報酬改定に係る告示・通知を発出し、これによって新年度の診療報酬が決定されるのです。