
今回の特集では、多職種が関わって「食べる」を支えることを切り口に、地域で暮らす高齢者のQOLと健康を支えるアプローチについて一緒に考えていきましょう。


四堂 敦子先生(指導医)52歳
訪問診療の実習を積極的に受け入れている熱い医師。その熱意と温かみのある人柄から、地域の人たちの信頼も厚い。
西川 哲人(医学部5年)23歳
大学からゴルフ部に入部。医師として世界で活躍したいと思っていたが、地域医療にも興味を持ち始め、進路に迷い中。
小窪 里紗(医学部5年)23歳
医師である父にあこがれて医学部に入学した。小児科病棟でボランティアをするサークルに所属している。
「食べる」喜びを尊重する
食べることは、生命維持に不可欠な行為です。食事を用意する・噛む・飲み込むなどの要素からなり、どれか一つでも欠けてしまうと、「食べる」ことは困難になります。
加齢や病気で身体機能が落ちると、自力で食べることは次第に難しくなります。そのため、完全静脈栄養や胃ろうなど、様々な人工的水分・栄養補給法が発達してきました。しかしその反面、認知症の進行した患者に、単なる延命処置として胃ろうを造設するといったケースも増加し、是非を問う声も高まっています。2014年度の診療報酬改定では、胃ろう造設術の点数が引き下げられ、術前の嚥下機能評価や術後の嚥下機能訓練を促す内容が盛り込まれました。漫然と人工的な栄養補給法を施すのではなく、可能な限り「食べる」を尊重することが、今の医療には求められています。
食事には様々な楽しみが詰まっています。食材の色や匂い、歯ざわりを五感で味わうこと。共に食卓を囲み、会話をして仲を深めること。食を通じてこうした楽しみを味わうことは、生きる意欲に直結します。また、口から食べられない状態が続くと、認知機能やADLの低下にもつながります。
人々の「食べる」喜びを支えるために、医師にできることは何でしょうか。様々な事例を通して、改めて「食べる」ことを見つめ直してみましょう。
* 厚生労働省「平成29年度人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書」より作成
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/saisyuiryo_a_h29.pdf



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- 医師への軌跡:キッティポン・スィーワッタナクン先生
- Information:Winter, 2019
- [新春対談]本庶 佑(京都大学 特別教授)×横倉 義武(日本医師会 会長)
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