大学紹介
東京医科歯科大学
【教育】研究マインドと国際人の育成
東京医科歯科大学 臨床解剖学分野 教授/医学科教育委員長 秋田 恵一
東京医科歯科大学医学部医学科では、「医学の発展を担う指導者を育成する」という教育理念のもと、「広い視野と高い倫理観」「自ら問題を提起して解決」「国際人としての意識」の醸成を教育目標としています。その目標達成のため、カリキュラムの中心に「研究マインドを育む」ことを据えています。本学では、基礎医学・臨床医学の座学が終わったあと、そして臨床実習の前に、第4学年の学生全員がプロジェクトセメスターと呼ばれる5か月間(夏休みを含むと6か月間)の研究実習を行っています。この実習は、基礎・臨床を問わず、自分の興味に合わせて学内の研究室に所属して行われるものです。この期間、2割程度の学生は海外の協定校の研究室で研究を行っております。また、第2学年から研究実践プログラムがあり、放課後の時間を使って、研究の体験を積むことができます。
また、本学では「国際人」を、常に「世界」という広い視点で考え行動する、生命科学研究、国際保健/医療政策、医療産業分野などのリーダーやフロントランナーと位置づけています。そのような人材を育成するために、Health Sciences Leadership Program (HSLP) という複数年にわたる完全英語履修のリーダー養成選抜プログラムなどを開講し、学生の「視野拡大」「資質獲得」「コミュニティ形成」「ネットワーク構築」のための効果的・効率的な機会を提供しています。この学習の成果をもって、多くの学生が海外の大学で臨床実習を行っています。
さらに、本学の教育資源・研究資源を最大限に活用し、歯学科の学生との医歯学融合教育の期間を設け、頭頸部に関することや、全人的医療について考え、学ぶ授業も取り入れております。
このような様々な経験を通じて、将来国際的に活躍する人材がたくさん育ってくれることを期待しています。
【研究】難病の病態解明から治療開発へ
東京医科歯科大学 発生発達病態学分野 教授/細胞治療センター長 森尾 友宏
東京医科歯科大学医学部は、難病診療の拠点機関であり、免疫疾患・消化管疾患・神経疾患・硬組織疾患など、様々な領域でトップレベルの診療を行っています。高度な医療を支えるのが、基礎研究です。学生数5,000名以下のsmall universityでは日本第1位、世界第12位の実績を誇り、医歯系総合大学として唯一「研究大学強化促進事業」に選ばれ、この規模ながら分子生物学や免疫学領域では高インパクト論文数で日本のベスト10にランクされています。医学部では特に、ゲノム医学・分子生物学・システム生物学・発生学・再生医学・工学などを融合した研究が進み、附設される難治疾患研究所、生体材料工学研究所や歯学部との密な連携から、独自の研究が行われています。再生医学分野では、国内トップを走る消化管再生・軟骨再生研究に加え、硬組織再生・毛根再生・心筋再生などの領域で独自の基礎研究が進展しています。臨床へ展開する細胞調製・検査施設も国内トップクラスです。免疫領域においては、基礎分野では好塩基球や単球・樹状細胞の分化や機能を、臨床分野で難治免疫疾患の原因を次々と明らかにし、それらを診断や治療の面で、免疫難病の診療現場につなげています。硬組織・運動器研究では、軟骨・腱・歯胚原基の発生・分化を多面的に解析し、歯学部との連携の中でも独自の研究を行っています。神経研究には長い伝統がありますが、最近では日本発の分子標的核酸医薬の基盤技術として「ヘテロ二本鎖核酸による治療」開発を先導しています。不整脈や腎臓などの領域でも飛び抜けた研究が行われています。オートファジーやゲノム解析の基礎学者は学外でも活躍し、医学部の研究者と連携を保ちながら、難病の病態解明に当たっています。本学医学部の特徴は、先端研究の学内連携・国内連携であり、難病診療拠点として基礎から患者さんの現場につなぎ、また患者さんの病気から基礎生命学を知る、真に両方向性の研究を実践していることにあります。その研究は疾患、特に難病を意識し、そして世界を意識したものであり、その精神は医学科学生にも浸透しています。
【学生生活】学生の「やりたい」をサポートしてくれる環境
東京医科歯科大学 医学部 医学科 5年 八尾 健太
東京医科歯科大学の特色の一つは、医療系総合大学である点です。医科歯科大には医学科のほか保健衛生学科と歯学部もあり、1年次は全員同じ国府台キャンパスで学びます。全学科が混ざった少人数グループでディスカッションする、教養総合講座という授業が印象に残っています。
医科歯科大は小規模な大学で、1学年あたり医学科と歯学科で150名、全学科をあわせても300名ぐらいですし、部活動も合同のものが多いので、学年みんな顔なじみになりますよ。歯学科とは医歯学融合教育も行われていて、これも医科歯科大ならではだなと思います。
4年次にプロジェクトセメスターという最長6か月の研究実習期間があります。この期間は通常の講義がなく、自分が興味を持った分野の研究に専念できます。海外の研究室に行くこともできて、毎年2割程度の学生が海外で研究を行います。僕もこの期間にロンドンへ留学しました。日本とは全く違う環境で、言語も考え方も違う人たちと一緒に研究してみて、価値観が変わるような体験でした。その他にも、選考で選ばれた学生が6年次にハーバード大学医学部関連病院で臨床実習を受けることができるプログラムなどもあります。このように、留学に力を入れている点も医科歯科大の特徴だと思います。
入学時に英語が得意でなくとも、英語のスキルアップのためのプログラムが色々と用意されているので、本人の意欲があれば、力をつけていけますよ。
※医学生の学年は取材当時のものです。


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