大学紹介
東京女子医科大学
【教育】「至誠と愛」を実践する女性医師の育成
東京女子医科大学 医学部長/内科学(第四)
(腎臓内科) 教授・講座主任 新田 孝作
本学の教育理念は自らの能力を磨き、医学の知識・技能を修得して自立し、「至誠と愛」を実践する女性医師を育成することです。本学医学部は1990年に全国に先駆けて新しい教育を取り入れました。その骨子は「テュートリアル教育」・「統合カリキュラム」・「人間関係教育」です。目標は、将来医師として活躍するあらゆる分野で必要な基本的知識、技能及び態度を身に体し、生涯にわたって学習しうる基礎的能力を獲得するところにあります。この目標を達成するため、学生自身が問題意識を持つと同時に、自らの力で知識と技能を発展させてゆく「自学自習」・「自己開発」を基本姿勢とし、少人数グループで学生自身が問題発見解決を行うテュートリアル教育を行っています。人間関係教育では、医師としての使命感・倫理観・態度・コミュニケーション力を養う医の技を学びます。統合カリキュラムは、患者の抱える問題を臓器・器官ごとに基礎から臨床までを統合的に考えるために構築されたカリキュラムで、これらは2011年にMDプログラム2011に引き継がれました。新カリキュラムでは医学生が6年間の課程修了時に達成すべき、医療者としての知識・技能・態度が示され、医師としての実践力を修得するための33の目標(アウトカム)が定められています。
学年をまたいで学習する縦断教育では、医師としての人間性・態度・倫理観・コミュニケーション力を高め、さらに専門的技能を高めることができます。臨床教育の場では、最先端の高度専門医療・地域医療・海外研修、さらに代替医療・女性医療など広い領域にわたる教育機会を提供しています。優れた教員群、そして整った教育環境で、建学の精神に沿い、女性として自立する医師を育成しています。
【研究】先端医療の研究開発で世界中の患者を救う
東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 所長・教授 清水 達也
東京女子医科大学では基礎研究にとどまることなく臨床応用を目指した研究開発を幅広く行っています。本学は各基礎・臨床研究室に加え、充実した研究施設を有し、分野横断型の研究開発が行われていることも特徴です。また産学共同研究を推進することで開発された治療法の早期産業化を目指すとともに、国際連携により世界中の患者を救済することを目指しています。
具体的には、基礎研究室においては遺伝子改変技術やRNA 干渉を含む分子生物学的手法、そして最先端のイメージング技術を用いたがんの増殖・転移のメカニズム解明、脳神経回路の解析、網膜神経細胞の増殖・分化の解明などが行われています。臨床研究室においては各診療科が関わる疾患の病態解明や疫学研究、新たな診断法や治療法の開発とその臨床応用が追究されています。また、先端の遺伝子解析技術を用いた希少疾患の診断、個々の遺伝子タイプに応じたオーダーメード治療の開発、医薬品の適正な使い方を追究する薬剤疫学研究なども行われています。
さらに、附属の研究施設では基礎・臨床の研究室と連携して学際的な研究開発が行われています。特に先端生命医科学研究所は早稲田大学との連携施設(TWIns)において医工連携・産学連携を実践、再生医療や手術支援機器の研究開発を行っています。各診療科の医師に加え、企業研究者を含む様々な分野の研究者が一つ屋根の下で研究をしています。再生医療に関しては本学独自の「細胞シート治療」を確立、臨床応用・産業化を推進するとともに臓器再生に向けた基礎研究を開始しています。また手術支援機器開発に関しては種々の診断・治療機器を統合した近未来的なスマート治療室の構築を目指しています。これらの研究開発を通じて世界の先端医療研究のリーダーシップをとっていきたいと考えています。
このように本学では、独創的で優れた研究開発を多面的に行うことで先端医療を切り開き、疾病に苦しむ多くの患者救済を実現することを目標としています。
【学生生活】女性だけの環境で、のびのびと学ぶ
東京女子医科大学 医学部 4年 福原 佳奈子
東京女子医科大学は、問題解決学習であるテュートリアル教育を全国で初めて授業に取り入れた大学です。テュートリアル教育では、学年を16のグループに分けて課題に取り組みます。例えば「『最近急に太った』と言って来院した50歳男性」のような、問題点を学生が見つけるきっかけになる課題が与えられ、それについてグループで意見を出し合います。回ごとに追加される情報をさらに話し合い、分析していきます。テュートリアルのテーマが他の授業とリンクした内容になっていたりして、アウトプットとインプットの繰り返しで効果的に学びを深めることができます。こうやってみんなで協力して問題解決に取り組むことは、将来医療現場で周囲と連携する場面でも役立つと思います。
生活面・学業面、双方の面倒見がよいことも魅力です。各学年に担任をつけて、定期的に面談を行うなど、学生のメンタルケアにも配慮してくれています。教授と学生との距離は近く、授業後には質問の列ができることもあるんですよ。女性の教員の割合は約40%、女性の教授の割合は約15%と、他の大学と比べてかなり多いと思います。
女子医では部活動・同好会が盛んで、36の団体から自分に合った部活を選ぶことができます。私は水泳部の部長をしています。もともと水泳をやっていたわけではないのですが、勧誘に惹かれて入りました。個性的な人が多くて面白い部活です。水泳部に入ったことを後悔させない自信があるので、女子医を目指す人は、興味を持ってくれたら嬉しいです。


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- 医師への軌跡:大久保 ゆかり先生
- Information:Autumn, 2016
- 特集:保健の視点 人々の健康な生活を支える
- 特集:様々な場面における保健活動の実際
- 特集:地域における健康づくりの取り組み
- 特集:職場における健康づくりの取り組み
- 特集:誰もが自分の健康を主体的に獲得できる世の中へ
- 医科歯科連携がひらく、これからの「健康」① 口腔疾患の全身状態への影響
- 同世代のリアリティー:文系研究者 編
- NEED TO KNOW:山形県寒河江市「無事かえる」支援事業の取り組み
- 地域医療ルポ:熊本県熊本市|おがた小児科・内科医院 緒方 健一先生
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- 大学紹介:金沢大学
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