大学紹介
滋賀医科大学
【教育】基礎医学研究者とリサーチマインドを持った臨床医の養成
滋賀医科大学 生理学講座
細胞機能生理学部門 教授 松浦 博
滋賀医科大学は、「地域に支えられ、地域に貢献し、世界に羽ばたく大学」として、それを担う人材養成を目指して、様々な特徴を持った 医学教育を行っています。第1学年から第2学年に開講される「全人的医療体験学習」では、地域の診療所で行われている訪問診療に参加して、 定期的に患者さん宅を訪問します。そこでは、患者さんの病気だけでなく、家族的社会的背景など患者さんをとりまく状況を幅広く捉えながら ケアを行う全人的医療について学びます。第4学年から第6学年で行うクリニカルクラークシップは、大学附属病院だけでなく、地域の診療所 でも参加型臨床実習を行います。患者さんと接する実習を入学初年度から第6学年まで連続して行い、臨床医に求められる知識、技能、態度を 段階的に上達させることができます。また、医学、医療の発展の基盤となる基礎医学研究に直に触れる機会も持つことができます。第4学年で は、全ての学生が学内外の研究室で自らの手で研究活動を行う期間を設けており、例年約40名の学生が国外の研究施設で研究を行っています。 さらに、文部科学省の「基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成」事業に採択されて、研究医養成コースを設け、基礎 医学研究者の養成にも力を入れています。現在、第1学年から第6学年の約60名の学生が基礎医学の研究室に配属されて、授業後や休日、長期 休暇の期間を利用して研究活動を行っており、その成果を国際学会や国際学術誌に発表した学生もいます。臨床で見つけた課題を基礎研究で 解決し、その成果を臨床に還元するリサーチマインドを持った臨床医を目指してほしいと希望しています。滋賀医科大学は、基礎医学研究者を 目指す学生にも、臨床医として地域や広く国内外の医療を志す学生にも、様々な教育機会を提供して、それぞれの学生が目標を達成することが できるよう支援します。
【研究】キラリと光る研究を目指せ
滋賀医科大学 生理学講座 統合臓器生理学部門 教授 等 誠司
滋賀医科大学は、重点研究と位置付けるいくつかの研究領域に焦点を絞って、他の総合大学に負けない一味違った活動を推進しています。 その1つがカニクイザルを用いた研究です。あまり知られていないことですが、本学には常時700頭前後の様々な年齢のカニクイザルが飼育されており、 人工授精や遺伝子改変などの世界最先端技術を使った研究に積極的に取り組んでいます。医学研究は、その成果を究極的にはヒト(患者さん)に フィードバックしていく使命がありますが、よく使われる実験動物(例えばマウス・ラットなど)とヒトとの違いは大きく、げっ歯類で得られた 知見がヒトでは観察されない例は枚挙に暇がありません。その点、ヒトと進化的に近い旧世界ザルであるカニクイザルは、遺伝子的にもヒトに非常に 近く、げっ歯類などでは得難いデータを取得できます。中でも、カニクイザルはやや小ぶりながらヒトに極めて似通った脳を持つ(げっ歯類や 新世界ザルのマーモセットは脳にシワがない!)ことから、精神・神経疾患のモデル動物として最適です。滋賀医科大学は、2016年度に組織を 改変して神経難病研究推進機構を立ち上げ、主にアルツハイマー病などを標的に、基礎研究からトランスレーショナルリサーチ、さらには 臨床研究までをシームレスに融合し、「滋賀から世界に発信する」を目標にしています。最近は、全身でGFPを発現するトランスジェニックカニクイザルの 作製にも世界で初めて成功しましたが、今後さらにノックアウトを含む遺伝子改変技術に磨きをかけて様々な疾患モデルを作製し、ヒト疾患研究に 役立てたいと考えております。
本学は琵琶湖を望むやや小高い所に位置し、周辺環境も良好で研究を行う施設・設備が整っています。また、学部在籍中から自由に研究室に出入りし、 実験することができるプログラムも好評で、自分のデータを国際学会で発表する頼もしい学生もいます。興味を持たれた方は、是非見学にいらしていただきたい と思います。
【学生生活】学生の「やりたい」に応えてくれる環境
滋賀医科大学 医学部 4年 石田 正平
滋賀医科大学の良いところは、学生の学びたいという気持ちに応えてくれるところだと思っています。研究に関心があれば「研究医養成コース」で 研究をし、その成果を国内外の学会等で発表できます。地域医療に関心があれば「全人的医療体験学習」という授業で、県内の診療所の患者さんのお宅 でインタビューを行い、「病人」ではなく「生活者」としてのその方の背景を深く知る機会があります。僕は「研究医養成コース」に参加して、神経幹細胞 に関する研究をしています。その他にも、授業の一環で滋賀県在住の外国人の患者さんとのコミュニケーションの実態について他の学生と一緒に調査 したり、医学生のキャリアに関する意識調査をしてみたりと、興味の赴くままに、面白そうだと思ったことにどんどんチャレンジしています。
社会人経験や他の大学での経験を経て入学する学生が約3割と比較的多いのも特徴です。僕自身も社会人経験を積んだ後に入学しています。 様々な経歴の人がいる中で、部活を頑張る人、国外で研修を受ける人、研究を頑張る人もいる。周囲と切磋琢磨し、学び合える環境だと思います。
住む場所については、大学周辺で下宿している人が多いですね。僕も大学の近くに住んでいて、自転車で通っています。遊ぶ時は、南草津に出たり、 京都まで行ったりする人が多いと思います。京都までも電車ですぐ出られるんですよ。
滋賀県は穏やかな気候で過ごしやすくていいですね。大学病院の最上階にあるレストランから、琵琶湖が見えるところも気に入っています。


〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
077-548-2111



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- 医師への軌跡:大久保 ゆかり先生
- Information:Autumn, 2016
- 特集:保健の視点 人々の健康な生活を支える
- 特集:様々な場面における保健活動の実際
- 特集:地域における健康づくりの取り組み
- 特集:職場における健康づくりの取り組み
- 特集:誰もが自分の健康を主体的に獲得できる世の中へ
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- 同世代のリアリティー:文系研究者 編
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- 地域医療ルポ:熊本県熊本市|おがた小児科・内科医院 緒方 健一先生
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