医学生の皆さんは、「もし大規模災害が起こったら、被災地の医療はどうなるか」と想像したことはありますか? 今までに大きな災害に遭ったことのない人にとっても、災害は他人事ではありません。この『ドクタラーゼ』第41号(2022年4月号)発行直前の3月16日にも、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生し、交通機関や医療機関にも大きな被害が生じました。また地震以外にも、大規模な水害は毎年のように発生していますし、後のページで紹介する災害の定義に則れば、コロナ禍もある種の災害だと言えます。さらに世界に目を向けると、戦争で大勢の人が傷つき、受けられるべき医療が受けられなくなっているほか、医療機関自体が攻撃に巻き込まれるということも起きています。災害は日本や世界の各地で、現在進行形で発生しているのです。

災害は、「発災期、緊急対応期、復旧・復興期/リハビリテーション期、静穏期、準備期、前兆期」の6フェーズからなるサイクル*として捉えることが重要だと言われています。たとえ、今、目の前で災害が起きていないとしても、私たちが見ているのは次の災害が起きるまでのつかの間の安寧だと考え、普段から様々な準備をしておく必要があるのです。

今回の特集では、「災害時には何が起きるのか」そして医学生や若手医師には「何ができるのか」という観点で災害医療について考えていきます。この機会に、災害への備えや災害対応について、考えを巡らせてみてください。

 

* 本文中で示した災害サイクルの区分は災害対応の観点によるもの。この他に、発災からの時間経過により、「超急性期(発災直後~3日)、急性期(3日~7日)、亜急性期(1週~4週)、慢性期(1か月~3年)」に分ける考え方もよく用いられる。

 

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