交流ひろば

第34回 学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
参加者募集!

日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会

【夏期セミナー(夏セミ)とは?】

キャッチコピーは「学び、つながり、未来が広がる。家庭医療と総合診療のお祭り、夏セミ!」です。全国の医学生・医療系学生・若手医療従事者 300名と家庭医療・総合診療に携わる 200名を超える先生方が集まります。

セミナーは全員参加の「企画」と、各人が興味のあるテーマを選択して参加する「セッション」で成り立っています。3日間を通して、家庭医療学の全体像の基礎から応用を学び、日本の医療や自分のキャリアに考えを巡らせてみましょう。学部や職種、年齢を超えた多様な視点に出会えるはずです。

【こんなあなたはぜひご参加ください!】

・家庭医療、総合診療ってなんだろう?

・まだ1年生でこういった集まりに参加したことがないけれど大丈夫かな?

・大学や学部を超えて、全国の色々な仲間と出会いたい!

・地域医療や多職種連携に興味がある!

・家庭医・総合診療医の先生方と話したい!

・夏休みにとにかく楽しい思い出をつくりたい!

【夏セミの魅力】

①大学ではなかなか学べない家庭医療学の面白さに触れることができます! 家庭医療学とは、学ぶことで診療上手になれる学問です。例えば、疾患だけでなく心理・社会的側面にも注目したり、患者を全人的に理解して共通の理解基盤を作るための手法を学んだりします。

②全国に友人を作り、視野を広げる絶好のチャンスです! 全国各地の医療事情、ご当地自慢、そのほか、ここでしか聞けない話がいっぱい!夏セミでつながった先生のところへ病院見学に行くことも可能です!

③自分だけの夏期セミナーを作って、自分の興味・学びを深められます! セッションではおよそ30個から興味ある4個を選択。参加者同士と先生方との双方向のワークショップなので、オンラインであっても充実した学びを得られます。

【今年のロゴ】

 

日時:2022年8月6日(土)~8日(月)

形式:Zoomによるオンライン開催

定員:300名 ※定員になり次第締め切り

参加者の対象:医学生・医療系学生・医療従事者(原則卒後5年目まで)

参加費:3,000円

申込:5月中旬より、ホームページで受付開始予定

WEBhttp://www.jpca-srs.umin.ne.jp/wp/kasemi/

あるいは「夏期セミナー」と検索してください!

 

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昨年度の初日企画のワンシーン。

 

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昨年度の懇親会の様子。

 

 

第9回 慶熙(キョンヒ)大学遠隔鑑別診断

NPO法人KnotAsia

2021年11月23日(火)、「第9回 慶熙(キョンヒ)大学遠隔鑑別診断」が実施された。

本企画は「医療を通じてアジアを結ぶ」ことを会是に活動するNPO法人KnotAsia主催の企画。ある症状の模擬患者を設定し、西洋医学と東洋医学、それぞれの知見から鑑別診断を実施する。発案は同NPO法人代表である大村和弘医師(東京慈恵会医科大学講師)、市川剛医学部専門予備校YMS代表。本年度のテーマは「めまい」。

企画当日は東京会場に金井晶子医師、春田侑亮医師、日本医科大学・北里大学の医学生が集い、韓国・慶熙大学では金奎錫(キム・ギュソク)教授を筆頭に医師や医学生が集った。また、大分大学の医学生らや日本語・韓国語の通訳者もオンラインにて参加し、見学者も含め総勢55名の国境を越えた9拠点での実施となった。 

めまいを訴える患者への模擬診察は進んでいき、吐き気や耳が聞こえにくいといった症状を伴っていることが判明。東京会場の日本医師・学生チームは、西洋医学的に「メニエール病」と診断し、「抗めまい薬」や「利尿剤」の処方など具体的な診療計画を挙げた。また、東洋医学的観点からの診断として、日韓ともに共通していたのは「痰飲(たんいん)」という、体内の水分が滞った状態の指摘。また、脾臓の機能低下も指摘された。診療計画として、「半夏(はんげ)白朮(びゃくじゅつ)天麻(てんま)湯(とう)」「半夏(はんげ)厚朴(こうぼく)湯(とう)」といった水滞を解消する漢方薬の処方や、「曲鬢(きょくびん)」「豊隆(ほうりゅう)」といっためまいや疲れ目に効くツボの紹介もあった。

最後に、金教授から「めまいの患者には、消化器系、頸椎系の両側面を考えること。めまいはリンパの循環と関係が深く、『半夏(はんげ)』、『白朮(びゃくじゅつ)』、『沢瀉(たくしゃ)』、『茯苓(ぶくりょう)』といった漢方薬が効果的」との東洋医学のまとめが発表された。大村医師からは「めまいを繰り返していること、耳の聞こえが悪いことなど、鑑別診断としてはメニエール病がふさわしい」とのまとめの後、「典型的な眼振の例」や「利尿剤投薬後の耳の聞こえの違い」などの症例が紹介され、「小脳失調など中枢系の問題によるめまい」との識別にも注意すること、と結ばれた。

金教授、大村医師のまとめを聞いた参加者からは「東洋医学・西洋医学それぞれの見解を、鑑別診断を通して学べる貴重な機会となった」との感想があった。日韓の医師、そして医学生らが、国境を越えて、西洋・東洋医学を自主自学し続けるシステムを、10周年を機に構築していきたい。

 

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集合写真(Zoomスクリーンショット)。

 

※寄稿:2022年2月
※寄稿者の所属は寄稿時のものです。