交流ひろば

WAKA×YAMA SUMMER IDEATHON 2021
~コロナから考える防災~

学生団体WAKA×YAMA2021年度代表 和歌山県立医科大学医学部2年 山﨑 稜大

12020年4月、私は大学進学を機に和歌山県での下宿を始めました。当時の私は1年浪人生活を経ていたこともあって、念願の大学生活が送れると心躍っていました。しかし待っていたのは新型コロナウイルス感染症拡大による完全自粛でした。入学式だけでなく授業開始時期も延期。初めての土地ということもあり、友人はおらず、ただ一日中部屋に引きこもる時期が続いていました。当時は同じような境遇の大学生が全国にいたのではないかと思います。

新型コロナウイルス感染症拡大が落ち着き始め、大学の授業もスタートしてSNSやZoomを通して徐々に友人関係を作ることができてきたそんなある日、私はある団体を知りました。それは現在私が代表を務めている学生団体WAKA×YAMAです。この団体は「不条理な生きづらさ」をなくすというビジョンを掲げ、和歌山県に存在する社会問題を若者の力で解決するべく活動しています。この団体の主な活動は毎年夏に開催しているWAKA×YAMA SUMMER IDEATHONという課題解決型プログラムです。このプログラムの主役は和歌山県内の学校に通う中高生であり、その年のテーマに関して見つけた課題に対する解決策を考えます。約3か月間のプログラムの集大成となるシンポジウムでは、地域住民の前で発表を行います。大学生は中高生のチームに対して一人ずつメンターとしてつき、中高生のサポートを行います。私が団体に加入した2020年度のIDEATHONのテーマは「メンタルヘルス」で、当時高校3年生二人のチームのメンターを任せてもらい、若者が抱えている生きづらさについて真剣に考え、解決策を検討しました。

2021年度、私は2020年度以上に団体の中心的な立場で関わるようになりました。いつか起こると予測されている南海トラフ地震により、和歌山県は甚大な被害を受けると想定されています。また、未曾有の大災害となった東日本大震災から10年という節目の年であることもあり、IDEATHONのテーマを地震・津波への「防災」に決めました。

プログラムを一から考えて作り上げるということは、今まで私が経験してきたどんなことよりも大変であると同時にやりがいがあり、自分自身を非常に成長させてくれるものでした。長い準備期間を経てプログラムが開始してからはあっという間に時間が過ぎました。シンポジウムでは、1年かけて作り上げたものが完成したという、何物にも代えがたい体験をすることができました。

新型コロナウイルス感染症拡大後、ほとんどの人の生活に何らかの影響が出たと思います。私のような大学生も、部活や遊び、授業すら例年通り行えない生活が今も続いています。誰もが自分ごとにせざるを得なかったパンデミックという「災害」。災害大国日本に暮らす私たちは、今こそ日常の大切さを再認識し、「いつか」に備えて防災に取り組むことが必要とされているのではないかと思います。

WEBhttp://www.wakaxyama.jp/

 

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第25回東北大学医学祭 ~新しい形の医学祭を目指して~

第25回東北大学医学祭実行委員会 委員長 井手田 凌

ドクタラーゼをご覧の皆様、はじめまして。第25回東北大学医学祭実行委員長を務めます、東北大学医学部5年生井手田凌と申します。 東北大学医学祭は、医・歯学部からなる東北大学星陵キャンパス独自の行事で、学生が中心となり運営します。医学にまつわる企画が多い行事ですが、堅苦しいものではなく、楽しみながら学べる企画や、出店などのお祭りならではの企画が開催されます。3年ごとに開催され、これまで24回の歴史を誇ります。そして今年10月に第25回を開催する運びとなりました。

近年の医学祭では、毎回、テーマを設けています。今回のテーマは「Connect~私と医療と世界と~」です。今年のテーマには、「医学祭を通じて医療をより身近に感じてほしい。更に、新たな技術を生かして世界との繋がりも強めたい」という思いが込められています。

新型コロナウイルス感染症の流行開始から2年以上が経ちました。そんななか、感染症と戦う医療界が普段以上に注目を浴びるようになったのは世の中の大きな変化の一つだと考えます。加えて、人々の接触が減る一方で、オンラインで人と人のつながりを支える技術が普及したことも大きな変化だと感じます。今回、私たちはこの状況を逆手に取って、従来同様に「医学を身近に感じてもらうための企画」だけでなく、新しく「どこからでもオンラインで参加できる企画」を取り入れました。具体的な企画を二つご紹介します。一つ目は、「体の中を冒険する」をテーマに、謎解きやクイズを楽しむことを通じて、医学に親しみを持ってもらう企画です。二つ目は、従来の現地での講演会の開催に加えて、中継を併用しての実施を予定している企画です。オンラインの技術を生かして、各地の方々に貴重な話を聴く機会を提供したいと考えています。他にも様々な魅力的な企画を準備しています。

最後になりますが、先生方、先輩方、そして何より実行委員会のメンバーのおかげで、この前代未聞の状況で医学祭の開催を目指すことができます。医学祭に関わってくださるすべての方々に感謝し、成功に向けて活動を続けてまいります。もうしばらくお力添えをお願いします。

そして、医学祭は我々だけでは成功させることはできません。医学祭にご来場の皆様の存在があってこそ医学祭は完成します。皆様に満足いただける企画を作るため、更に準備を進めてまいります。星陵キャンパスで皆様をお迎えできることを祈念しております。よろしければ、医学祭のホームページや各種SNSをご覧いただき、続報をお待ちいただければ幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました。

WEBhttps://tohoku-medfes.com/

 

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※寄稿:2022年2月
※寄稿者の所属は寄稿時のものです。