グローバルに活躍する若手医師たち
日本医師会の若手医師支援
JMA-JDNとは
Junior Doctors Network(JDN)は、2011年4月の世界医師会(WMA)理事会で若手医師の国際的組織として承認されました。JDNは、世界中の若手医師が情報や経験を共有し、未来の医療を考えて行動するための画期的なプラットフォームです。日本医師会(JMA)は2012年10月に国際保健検討委員会の下にJMA-JDNを立ち上げました。これまで若手医師の集まりは学会や医局、地域、NGOなどの枠組みの中でつくられてきました。JMA-JDNは、多様な若手医師がそれらの枠組みを超えて、公衆衛生や医療分野において自由に自分たちのアイデアを議論し行動できる場を提供したいと考えています。関心のある方は検索サイトやFacebookで「JMA-JDN」と検索してみてください。
今回は、JMA-JDNの若手医師より、世界医師会ベルリン総会の模様を報告してもらいました。
世界医師会ベルリン総会に参加して
帝京大学医学部附属病院・循環器内科
JMA-JDN国際担当役員 岡本 真希

2022年10月5~8日にベルリンで開催された世界医師会総会に先立ち、同月3、4日にpre-WMA JDN meetingが開催され、世界各国から約30名のJDNメンバーが参加しました。
新型コロナウイルス感染症の流行後、私にとって初めての国際会議への現地参加で、毎月オンライン会議で画面越しに話していたJDNの仲間たちとやっと実際に会うことができ、今後の活動目標やお互いの近況報告などで盛り上がりました。実際に会うのは初めてのメンバーもいましたが、一緒に大変な時期を乗り越えた同志として既に心も通じ合っているような不思議な心地でした。
JDN meetingで扱ったトピックのうち、医学教育に関する部分を少しだけご紹介します。ヘルスケアプロフェッショナルの教育に関する国際コンサルティング組織Meducate Global, LLCのLawrence Sherman先生より、生涯学習の効果を最大限にする方法として五つの秘訣をご教授いただきました。
1)自分が一番学びやすいスタイルを把握する(スキルトレーニング、書く・読むなどの言語化、イラストや図を用いた視覚化、音声で聴く、一人学習、グループ学習、体験学習など、様々な学習方法の中から自分に合うものを探す)
2)学ぶことへのモチベーション、新しいことを新しい方法で学ぶことに対して柔軟に受け入れる
3)いつでも、どこでも、どんなふうにでも学ぶ姿勢を持つ
4)良い先生、メンター、ロールモデルを探す
5)他の人たちが学ぶのを助ける(学びは相互的であり、教えることで得られることもある)
皆さんもぜひ、色々なスタイルを柔軟に試して、自分に一番合った方法を探してみてください!
また、各国の若手医師同士で研修制度に関する情報交換も行いました。チュニジアでは毎年、医学部5年生は一斉テストの成績順に好きな研修先を選べるのですが、多くの研修先は医療物資が少なく充分な研修を受けられないそうです。また、ケニアでは研修先の6割を占める私立の病院や診療所で研修の質が担保できず、より良い研修先を求めて若手が海外流出してしまうことが問題視されています。韓国の若手医師は、自国の1年間の平均労働時間(韓国:1,967時間、日本:1,644時間、ドイツ:1,386時間)、週の平均労働時間(90時間)、36時間連続勤務が週に3回まで認められていることなど、過酷な労働環境に関する情報をシェアしてくれました。一人前の医師になるまでの教育環境は非常に重要ですが、すべての若手医師が平等な教育環境を得るにはまだまだ課題が多いと感じました。


岡本 真希
佐賀大学卒、洛和会音羽病院にて研修。2017年から4年半ドイツで留学&臨床医として勤務。2021年9月帰国。
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加盟国医師会理事として活動していた元JDNが次期世界医師会長に選出されました!
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※寄稿:2022年11月
※寄稿者の所属は寄稿時のものです。



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