授業探訪 医学部の授業を見てみよう!
大阪医科薬科大学「学生研究」
この企画では、学生から「面白い」「興味深い」と推薦のあった授業を編集部が取材し、読者の皆さんに紹介します!
必修授業で集中的に研究に取り組める!

1年次には、医学における研究とはいかなるものかについて、導入となる講義を行います。3年次では希望する研究室に配属され、他の科目を気にすることなく、4週間集中して研究に取り組めます。
本格的なポスター発表が体験できる!

4年次では追加実験やデータの整理、プレゼンテーションの準備を行います。発表当日は、用意したポスターを前に、発表者である学生が聞き手である教員や学生と対面でディスカッションを行います。
論文や学会発表につなげられる!

希望する学生は、引き続き配属教室に「学生研究員」として所属し、研究を継続して学会や論文として発表することもできます。研究医を目指すかどうかにかかわらず、その後につながる経験を積めます。
INTERVIEW 授業について先生にインタビュー
学生のリサーチマインドを涵養し
臨床以外にも活躍の場があることを伝えたい
「学生研究」はEBM(Evidence-Based Medicine)を実践できる医師の養成を目指す連続授業です。1年次の講義を踏まえ、3年次は、配属された研究室に通いながら、指導教員と共に研究計画を立て、4週間集中して実験を行います。そして4年次の「研究発表会」で1年間の研究成果を発表します。
この授業の主な目的は、将来、臨床医となる学生にもリサーチマインドを持ってもらうことにあります。臨床医であっても、何か疑問に思うことがあった際、地域の医師会や仲間、保健所などに相談し、症例定義や統計的な解析などをすることで、新しい病気の発見につなげることができます。そのためには、ただガイドラインに従って診断をつけ、治療するだけではなく、研究の手法を理解しておくことが大切です。
研究といっても実験室で行う実験ばかりでなく、社会医学系のテーマを選ぶ学生もいます。また、薬学部や、医工連携で協力している関西大学工学部とのつながりもあり、学生の希望に応じて受け入れてもらえます。例えば、人工血管などの研究をしたい場合は工学部の研究室に協力をお願いすることもできます。
授業を終えた後も、希望者は引き続き配属教室に「学生研究員」として所属することができます。この環境を活かして、ぜひ将来、医学の発展に貢献するような成果につなげられる学生が出てきてほしいと思っています。
目の前の患者さんを救う以外にも、医師には様々な貢献の仕方があります。例えば、新薬を作ることで何万人という患者さんを助けたり、起業して医療器具やアプリを開発したりする医師もいます。この授業を通じて、医師にも様々な活躍の場があることも感じてほしいですね。

中野 隆史先生
大阪医科薬科大学医学部 医学教育センター センター長
微生物学・感染制御学教室 教授
学生からの声
今後の研究の道筋が見えました!
3年 髙橋 遼

私はもともと研究医を志望しており、1年次から解剖の研究室に所属し、オンラインや動画で報告をしてきました。今回の実習では初めて対面でのポスター発表を経験することができました。質疑応答を通じて今後の研究の道筋も見え、とても充実した時間になりました。
研究の面白さを体感しました!
3年 藤本 海斗

もともと統計に興味があり、AR(拡張現実)ゲームがどの程度高齢者の身体活動や脳の活性化に寄与するのかを調べました。予測と正反対のデータが得られて驚いたり、データ解析に苦戦もしましたが、次は30~50代の生活習慣病との関連も知りたいという意欲が湧きました。
卒業後の選択肢が広がりました!
3年 浪花 和紗

私は受動喫煙に興味があり、コロナ禍と合わせて「飲食店の喫煙環境と従業員の新型コロナウイルスワクチン接種状況の違い」というテーマで報告を行いました。医学部卒業後は臨床で働くというイメージが強かったのですが、研究に携わったことで、視野が広がりました。
★★ Thank You ★★
たくさんの授業のご推薦ありがとうございました
この企画では今まで、全国の医学生の皆さんから「面白い」「興味深い」と感じる様々な授業・プログラムをご推薦いただき、誌面で紹介してきました。ご協力に感謝を申し上げます。
(ドクタラーゼ編集部)
※取材:2022年9月
※取材対象者の所属は取材時のものです。



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