交流ひろば

新型コロナウイルス感染拡大のなか新しい形で復活したMFF最大のイベントSummer Fes 2021総括

医療系学生団体Medical Future Fes 2019-2021年代表
東北医科薬科大学医学部医学科6年 岡田 瑞央(おかじゅ)

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誰もが予想しなかったであろう新型コロナウイルス。2019年、私が前代表から代表職を受け継ぎ奮闘している最中に感染が拡大してきました。

昨年のMedical Future Fes(以下、MFF)最大のイベントであるSummer Fes 2020(以下、サマフェス)は、2020年春早々に幹部で話し合い開催を断念しました。そして2021年夏、東京オリンピックが開催されるなか、再度日本中で爆発的な感染拡大が見られ、以前のように対面式での開催が困難であると判断し、サマフェス史上初、オンライン上でイベントを開催することにしました。

8月14日に開催されたサマフェス2021は四つのイベントが企画されました。私が企画したのは二つです。一つ目が3年連続イベントにお呼びしている旅行医の伊藤玲哉先生による「医療×旅行 諦めていた"旅行"を叶える」。旅行を介して患者さんの願いを叶えるという伊藤先生の活動は視聴者の心に響いたと思います。それから、二つ目が医学部での6年間を終えようとしている私の大学生活最後のプレゼン企画「社会人発再受験経由医学部行き列車に乗って」。45分間のプレゼンで「学生のうちにやっておくべきこと」「コロナ禍におけるおかじゅ流ストレス解消法」「量ではなく質にこだわった勉強術」など10個以上のコンテンツを盛り込んだため早口になってしまいました(笑)。今回の私のコンテンツでは、人生を考えるキッカケを作ることをコンセプトに資料を作成しました。皆さんに自身の意図することが伝わっているか心配でしたが、講演後に「人生の価値観が見えて、楽しい講演だった」「限られた人生のなかで自分がやりたいこと、挑戦したいことに精を出している様子が伝わってきました。私も残された学生生活をより充実したものにするために、興味があることに積極的に挑戦していきたいと思いました」「私はプレゼンが苦手なので、将来はおかじゅさんみたいにわかりやすくてためになる話ができるように頑張りたいです」など、アンケートの回答を頂き、少しでも参加者が自分の人生を考えるキッカケを作れたのかなと思います。

その他、副代表3名によるディスカッションイベントが二つ企画されました。午前中行われた「医療系学生大集合!多職種間の事情を知ろう!」では学生同士の横のつながりが多くできました。午前から午後にかけて行われた「反出生主義~医療者としての向き合い方を探って~」はMFFイベントで初めてとなる哲学企画でした。ディベート好きな方々が濃厚な討論を繰り広げました。

今回は、オンライン上で9~18時の長丁場となるウェビナーイベントでしたが、50名近くの参加申し込みがあり、各々の心に残るイベントになったことと思います。私は今回のサマフェス2021をもって代表職を引退しましたが、MFFの活動は今後も続きます。色々なイベントが行われると思いますので、皆様、今後ともMFFをよろしくお願いいたします!

 

 

第15回 KnotAsia×高神大学医学部 医療人文学シンポジウム

NPO法人KnotAsia

2021年8月27日(金)、28日(土)、東京にて、「第15回 KnotAsia×高神大学医学部 医療人文学シンポジウム」が開催された。

本企画は「医療を通じてアジア・世界を結ぶ」ことを目標に活動し続けるNPO法人KnotAsia主催の企画。企画発案は同NPO法人代表である大村和弘医師(東京慈恵会医科大学講師)、市川剛医学部専門予備校YMS代表。二日間にわたって日韓の学生たちに「医師のロールモデル」を探してもらうことを目的とする。

1日目は高神大学の医大生および医師を志す日本の高卒生・現役生たちに門戸を開き、高神大学医学部呼吸器内科オク・チョルホ教授と大村医師・市川剛代表による「国境を越える医師」「アジアで共生していく医師」についての講義が行われた。オク教授は、韓国で最も忙しい呼吸器内科医としてテレビでも報道されている。

本研修の目玉企画は、2日目に実施される「代表的日本人」と「代表的韓国人」について取り上げるグループ発表だ。

本年度の研修では、日本の学生たちが6グループに分かれ、自分たちが目指すべき医師のロールモデルとして「代表的日本人」を1名取り上げた。例えば、中村哲医師、神谷美恵子医師などの名前があがった。

一方、高神大学医学部生6名は、それぞれ1名ずつ同グループに参加。中村哲医師には張起呂医師、神谷美恵子医師には孫良源牧師など、共通点の多い「代表的韓国人」を取り上げた。

Zoomを駆使し、オンタイムで日韓をつなぎ、限られた時間で議論し、グループの発表まで持っていった。

同プレゼンテーションをオク教授が採点し、優秀賞として選ばれたのは、「緒方洪庵×許浚」「大村和弘×オク・チョルホ」「北里柴三郎×大長今」の3グループ。なかでも最優秀賞(オク・チョルホ賞)として、「大村和弘×オク・チョルホ」のグループが選ばれた。

新型コロナウイルス感染症が猛威を振るうなか、日韓を含め「未来のAsia」を背負って立つ医療人の姿が見えた二日間であった。

 

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集合写真。(ホワイトボードに移っているのが高神医大生)
※撮影時の数秒のみ、マスクを外した。

 

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Zoomで講義をするオク・チョルホ教授。

 

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挨拶をする大村和弘医師。

 

※寄稿:2021年9月
※寄稿者の所属は寄稿時のものです。

 

No.39