総合病院の歯科医師(前編)

これから医師になる皆さんは、どの医療現場で働いても、チーム医療を担う一員となるでしょう。本連載では、様々なチームで働く医療職をシリーズで紹介しています。今回は、草加市立病院歯科口腔外科の高田典彦部長にお話を伺いました。

開業の歯科医師との違い

――まず、総合病院の歯科医師はどのような仕事をしているのか教えてください。地域で開業している歯科医師とはどう違うのでしょうか?

高田(以下、高):開業の歯科医師は、主にう蝕と歯周疾患を扱います。例えば、歯が欠けたり失われたりした場合に、かぶせものや入れ歯などの人工物で歯を補う補綴治療などです。

総合病院の歯科口腔外科では、基本的に、口腔外科専門医資格を持つ歯科医師が中心となり、開業の歯科医師のクリニックで扱うことが難しい入院手術や外科治療を中心に扱います。歯性感染症や、顎関節症、口内炎、舌や粘膜の異常、腫瘍、外傷などの患者さんについて、地域の歯科医師から相談を受けて治療・手術を行います。

――主に、どのような手術を行っているのでしょうか?

:智歯(親知らず)・埋伏歯の抜歯から顎骨嚢胞摘出、舌・歯肉・頬粘膜や、顎骨の良性・悪性腫瘍手術、顎骨骨折などの外傷手術、顎変形症の顎骨骨切り手術、顎骨再建後のインプラント手術などです。

――手術が中心となると、入院の患者さんが多いのですか?

:患者さんの内訳は、9割が外来で、残りの1割が入院です。入院の患者さんも、最初は外来で診て、手術が必要となってから入院する場合がほとんどです。緊急手術は極めて少ないですが、病院の救急外来から来た外傷の方や消炎治療が必要な炎症の方は救急扱いの患者さんとなります。

――総合病院などの口腔外科分野で働く歯科医師は、どのようなキャリアを歩むのですか?

:歯学生は歯学部を卒業後、1年間の臨床研修を経て、将来的に学外の一般歯科診療所や病院歯科に勤務するか、あるいは大学の専門科に残って研究を続けるかを決めます。口腔外科専門医を目指す場合は、口腔外科に所属後、6年ほどかけて、様々な関連病院で多くの症例を経験し、専門医の資格を取得します。

 

 

(左)院内の医師・薬剤師・歯科医師・臨床心理士・事務職員による臨床倫理委員会。
(右)歯科衛生士による、放射線治療患者に対する口腔ケア。