2025年2月20日
第8回 生命(いのち)を見つめるフォト&エッセー 受賞作品
小学生高学年の部(4~6年生)【優秀賞】
「お兄ちゃんはずっと私のお兄ちゃん」
河内 穂花(11歳)群馬県
私には年齢が二つ上の兄がいます。自閉症と多動症、そして成長ホルモン分泌不全症という病気と闘っています。自閉症と多動症に関しては、1日2回の内服薬、成長ホルモン分泌不全症に関しては、1日1回寝る前に注射を打っています。
私の両親は、私が物心付いた頃から現在も〝共働き〟です。兄が幼稚園へ通い出した頃、私の預け先が無いため、母におぶわれ、母の職場へ行き過ごしていたこともありました。
3歳の頃から〝自閉症〟と診断された兄は、こだわりが強かったり、自分の気持ちを言葉で上手く表現できないため、かんしゃくや紙を破ることで、不安を解消しており、父や母が幼稚園や学校の先生に謝っていた記憶があります。
私が小学生になると、長期の休みでは、兄と二人で留守番する機会が増え、トイレの自立ができていなかった兄の世話を任せられていました。「何でこんな面倒なことをしなきゃならないの? お兄ちゃんなんかいなければいいのに......」と、兄自身が一番辛いことを父や母にいくら諭されても、心の狭い私は、常にそんな心無いことを思ってしまっていました。
兄は、私が両親に叱られている時、黙って様子を伺い、私が悪くても、必ず私を体を張って守ってくれます。
私の年齢が上がるにつれ、私も兄の色々なことが分かるようになってきました。それと同時に、父や母の大変さも分かるようになってきました。しかし、正直なところ、現在の私は、思春期の
先日、母のスマホに、私と兄の赤ちゃんの頃からの写真があったので、見せてもらいました。ほとんどの写真が、一緒に写っており、兄が私に優しくほほ笑んでいたり、ニコニコ笑っていました。中学生になった現在も、嫌な顔せず、私と写真を撮ってくれます。
自転車に乗れない兄は、将来の自立に向け、学校までの約2㎞(20分程)の距離を徒歩で通学できるように訓練しています。皆が当たり前にできることが、兄には難しいことがたくさんありますが、どんなことでも兄なりに、頑張っています。
そんな兄と過ごしている私は、将来、医師になりたいという夢を持つようになりました。兄をずっと診てくれている担当医は、私の憧れです。日々の勉強はすごく大変ですが、私は兄を守っていきたいのです。
優しくて頑張り屋のお兄ちゃんは、ずっと、ずっと、私の自慢のお兄ちゃんです。
第8回 受賞作品
一般の部: 【 厚生労働大臣賞 】
【 日本医師会賞 】
【 読売新聞社賞 】
【 審査員特別賞 】
【 審査員特別賞 】
【 審査員特別賞 】
【 入選 】
【 入選 】
【 入選 】
中高生の部:【 文部科学大臣賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
小学生高学年の部(4~6年生):【 文部科学大臣賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
小学生低学年の部(1~3年生):【 文部科学大臣賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】
【 優秀賞 】