医師のみなさまへ

2025年2月20日

第8回 生命(いのち)を見つめるフォト&エッセー 受賞作品
小学生低学年の部(1~3年生)【文部科学大臣賞】

「お母さんの病気とぼくの髪の毛」

川原 迪(7歳)東京都

 ぼくは、2022年から髪を伸ばし始めました。理由はヘアドネーションをしたいと思ったからです。ヘアドネーションとは病気などで髪をなくした人に自分の髪を寄付することです。

 そんなときにお母さんが乳がんという病気になりました。ぼくはそれまで人は、殺人か老すいで死ぬと思っていました。でも、病気で人が死ぬということも知りました。そして、お母さんはまだ死んでいないのに、死ぬかもしれないことがこんなにもこわいんだということも知りました。お母さんは、
「手じゅつをして、治りょうをしたら治るから大じょうぶだよ!」
と言ったけど、ぼくは「治らなかったらどうしよう」と不安でした。

 手じゅつの後、抗がんざいの治りょうでお母さんの髪は抜けました。そして、毎日ねてばかりで元気がなくなりました。「だれにも会いたくない。」と言って、おかあさんはとてもよわよわしくなりました。

 だからぼくは、髪をもっと伸ばしてぜったいにお母さんにあげようと思いました。髪の毛があれば元気になると思いました。そのことをお母さんに話すとよろこんで泣いていました。さい初はいつになったら治るのかとか、がんが大きいのかとか心ぱいだったけど、抗がんざいの治りょうがおわるとお母さんはすこしずつ元気になりました。

 今は、お母さんのがんは、体からきえていてとても元気です。元気になったお母さんと、どっちがおもしろいギャグを思いつくかきそっています。髪も生えました。だからぼくの髪は、病気で髪がなくて家にいる子どもにあげたいです。ウィッグをかぶって外であそんでもらいたいです。そしてお母さんみたいに元気でえ顔になってほしいです。

第8回 受賞作品

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